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日本の産後ケアサービスのこれから

2013年08月02日配信
カテゴリ:その他

今回は前回(韓国「産後調理院」と産後ケアサービスの現状) の続きとして、日本での産後ケアのこれからについてお話したいと思います。

日本版「産後調理院」は採算がとれない

韓国の産後調理院は、「儲かる商売」であるようですが、日本ではどうでし ょうか?

結論から言うと、赤字です。

24時間人員を配置して20人近い母子の世話をし、助産師を中心とした有資格者 を雇うことを考えると、人件費が膨大になります。

また建物等の設備投資を考えても、韓国のように2週間20万円程度では無理で しょう。
利益を出すには、50~60万くらいの価格にしないと難しいです。

だからといって、出産後にそんな金額を出せる方は多くはいません。
多くの方にとって、価格面がネックになるのです。

採算はとれないけれど、社会的に必要なサービス、というのであれば国や自治 体が何とかするしかありません。

社会のニーズに国や自治体が対応するところから

政府が提唱している少子化対策としても、出産に関わるフォローを充実させて いかないと、出生率も増えていきません。

産後ケアを行う施設を作るのであれば、都道府県が建物を建て、経営上の赤字 分は税金分で賄う方法しかありません。

ただし出産というのは日時を確定することが困難であるため、出産した後に サービスを受ける日程が確定することになります。

その時点で施設が満室だと入れませんし、逆に施設の空室の余裕を見ておかな ければならないとなると、稼働率が悪くなってしまい、ますます赤字が増える という結果になってしまいます。

また国や自治体が主導で行うと、教育的な側面が強くなり、画一的なサービス になってしまいがちです。

出産をされる方の所得やバッググラウンドも様々です。

例えばお金をもっと出しても良いから快適に過ごしたい、というニーズには対 応しづらいのではないでしょうか。

韓国のように、低価格の施設から中高所得者向けのものまで幅広くサービスを 提供するには民間企業でないと難しいです。

とは言え、まずは国や自治体の役割として社会的な認知を定着させることから 始めなければなりません。

まだまだ先かも知れませんが、将来的には民間企業の参入が重要になってきま す。

介護保険から育児保険へ

以上のことを踏まえて、日本での産後ケアサービスはどのような形になってい くでしょうか。

現状は出産に対して、出産育児一時金として42万円の補助があります。

今後はそれだけでなく、「産後の肥立ち」と言われる出産後の21日間に対して も国がお金を出すような制度が必要になるのではないでしょうか。

同じような仕組みが既にあります。

「介護保険」です。

介護保険は介護が必要な方の負担を税収で賄っているもので、40歳以上の方の 保険料にも上乗せされています。

介護保険が開始されてから民間の介護業者が増えていき、いくつも事業所を構 えている大きな企業もあります。

高齢者向けの介護保険に対して、母子向けの「育児保険」の新設というのは どうでしょうか。

産後のケアをするヘルパーさんのようなサービスを2~3週間利用できるような 仕組みがあれば良いのです。

産婦人科は出産のための施設として、産後は早く退院してもらい、その代わり 産後ケアを保険で利用できるような体制を作ることが望ましいと思います。

国もその方向で検討している様ですし、それしかないのではないでしょうか。

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