小さなお子さんを持つ女性医師の開業医院開業や医院経営、クリニック開業の支援ならオクスアイ

2012年3月3日作成
クリニック開業スタイル

医師の仕事復帰と人材紹介会社の問題点

女性の医師にとって、職場の産休制度は充実しつつあるとは思いますが、実際はM先生のように出産を機にそれまでの勤務先を退職するケースは多いと思います。

その後育児をしながら仕事に復帰する場合は、病院やクリニックで非常勤として働くのが一般的です。

まずは勤務先を探すために人材紹介会社(医師の転職サポート、マッチングなど様々なサービスがあります)に登録して仕事を探すことが多いでしょう。

まずはこの問題点を指摘しておかなければなりません。

人材紹介会社は、人材募集中の病院へ医師を紹介し、就職が決まったら紹介料として、その医師の年収の2~3割をもらうというビジネスです。

つまり人材紹介会社は、どんな病院であっても誰かをそこに入れてしまえばお金が入ってくるわけです。

病院側は早く医師が欲しいわけですし、人材紹介会社側も売上のノルマがあるので、「高収入の医師を、どこでもいいから入れてしまえ」ということが起こってしまうことも少なくありません。

一般的に、いわゆる「良い」「評価が高い」病院は医師にとってスキルアップや働きがいが期待できるため、働きたい方が多く、給料はそんなに高くありません。
高くなくても医師が集まるからです。

一方「悪い」「評価が低い」病院は患者の治療や医療の質よりも「金儲け」を重視し、医師にとっても環境が良くないことが多く、経営者側とそこで働く良心的な医師との対立が起こります。

結果として悪い病院は医師の入れ替わりも激しいため、高収入を売りにして常に人材を募集しています。

紹介料が多く得られるので、人材紹介会社はそんな病院に医師をどんどん入れようとする悪循環になっている傾向があります。

そんな状況ですので、全てとは言いませんが、実際のところ人材紹介会社の評判はあまり良くありません。

場所や勤務時間など、ご自身の希望どおりの職場を見つけるのはなかなか難しいのです。

特に地方の大学を卒業してから東京に来られた方など、ご自身の出身大学と現在のお住まいが離れている場合は、大学の地盤もなく満足できる就職先がなかなか見つかりにくいと言うケースもあります。

テナント開業をお勧めしている理由

子供の面倒をいつでも見られるので、自宅の一部をクリニックにしたいと考えていらっしゃったM先生ですが、自宅で開業することのデメリットは主に2つあります。

住まいとして適している環境は、静かで患者さんが来にくい場所だという事、そして自宅のために大きな借金をしなければならないという事の2つです。

開業したクリニックは、患者さんが多く来院し、経営が安定し収益を継続的に上げることができて「成功した」と言えます。

今後も開業するクリニックは増えてくるでしょうし、競合が増えて来ればつぶれるクリニックも出てくるでしょう。

自宅にお金をかけるという事は、お金を生み出さない所に大きな投資をする為に、お金を生み出すクリニックへの投資が不足してしまうという事です。

初期投資が膨らみ、リスクが高くなるような開業は絶対に避けるべきということがテナントでの開業をお勧めしている主な理由です。

子育てなどのご家庭の事情がある場合は、自宅から近い場所でクリニックを開業し、ご自宅との往復時間の余裕を確保するという開業の形もご提案しています。

ライフスタイルを重視した開業の例(開業医インタビュー)はこちら

家庭、目指す医療、収入

だたし「絶対にテナント開業でないといけない」ということではありません。
上記のデメリットを克服できるのであれば、もちろん問題はありません。

それではどのような開業のスタイルが考えられるでしょうか。

それは売上目標を低目に設定した開業です。

例えば、住宅地で一戸建ての住居の1階部分をクリニックにして、近所に住む方だけを対象にして診察をするようなスタイルが考えられます。

この場合は収益を上げるというよりも、赤字にならないように固定費を極力抑えたクリニック経営を目指します。

例えば1日10~20人程度が来院すると考え、月の売上目標は100~200万円位といった形でしょうか。スタッフの数を制限してご自身だけで対応できる、小規模なクリニックになります。

あまり大きな売上を目指すことはできませんが、非常勤で勤務するよりは時間的な制約から解放されますので、2人目・3人目のお子さんを育てながら医師としての仕事を続けることが可能となります。
収入もお子さんの教育費程度であれば不足することは無いでしょう。

この場合は自宅のためのローンなどは開業して返済するのではなく、例えば旦那さんの収入からやりくりしたり、ご両親に協力してもらったりすることが前提となります。

もちろんそれぞれ置かれた立場は違いますので、資金計画については様々な状況を踏まえて考える必要があります。

ただ1つ言えることは、家庭、医療、収入の3つを全て十分満足できるような開業は現実的には難しいという事です。

資金計画のシミュレーションはこちら

開業の方法、クリニックの経営内容は、人生の優先順位によって異なります。

「何のために開業をするのか?」ということをもう一度見直されてはいかがでしょうか?

一覧へ戻る

記事監修者

コンサルタント
一級建築士
金村かねむら 伯重のりしげ

金村伯重

経歴

昭和54年
病院システム開発研究所 入社
東京医科大学病院、焼津市立病院、富士市立中央病院、沼津市立病院、富士宮市立病院などの建替計画に参画
昭和59年
医療機構開発株式会社 入社
町立浜岡病院(現御前崎市立病院)新設に参画
昭和63年
オクスアイ医療事業開発株式会社設立

以来30年以上に亘り、数多くのクリニック開業をサポートしている。

総合病院であらゆる診療科目の医療現場に携わり、多岐に亘る分野の技術に精通する。また一級建築士である事から、施設造りまで自社で一貫して行う。クリニック開業を成功に導くソフトとハードの技術を確立し、他に例を見ないコンサルティングを実践。これまでサポートしたクリニックを全て成功に導いている。