医院開業までの基本的な流れとスケジュール

勤務医として働いている医師のなかには、いつか自分の医院を開業したいと思っている人もいます。もちろんリスクはありますが、自分の診療スタイルを実現できる、収入面も大きく違ってくるので、やりがいも感じられるはずです。
ここでは一般的な医院開業の流れとスケジュールを紹介しています。。

医院開業までの準備は大変!

まずは開業地を選定する

闇雲に医院を開業しても、患者さんが来るものではありません。医療機関といっても個人事業ですから、地域の情報を入手して成功する医院にしなければいけません。

実際に開業したい地域があっても、物件があるかどうかは別問題です。土地の価格や診療科によって必要なスペース(坪数)も違いますから、それを含めて開業地となる物件をいくつか選定します。

まずは自分でエリアを見て回り、不動産会社にも相談してみましょう。ネットなどでは公表されていない物件も多数あるので、スケジュールに合わせたチェックが必要です。

診療圏調査して1日の集患見込みを把握する

そのエリアで開業した場合に、1日にどれだけの患者数が見込めるのかを把握するのが診療圏調査です。必ずしもその調査データ通りにはならないこともありますが、開業には欠かせない情報です。
明らかに飽和状態なら開業地としては適していない、もしくは診療科の設定もスケジュールに合わせて再検討する必要があります。

開業時期を決定して資金・スタッフ確保を進める

実際に開業を目指す時期を設定します。これにより資金調達の時期や工事の施工時期、スタッフ採用などの時期もおのずとスケジュールが立てられます。
開業地が決まれば、そこに『〇年〇月開業予定』という看板を立てることも、広告と競合施設の新規参入を防ぐのに有効です。

金融機関からの借入れに向けて事業計画を立てる

開業地が決まり、その土地を購入するにも、医院を建てるにも金融機関からの借入れが必要です。そのために事業計画と資金計画をスケジュールに合わせて進めていくことになります。

収支予測は収入を少なめにして現実的な計画を練る

開業するには収支予測のシミュレーションを行ってみる必要があります。思い描いた診療ができても、収支が見合わなければ医院を運営していくことも困難になります。
軌道に乗るまでには運転資金や税金も頭に入れておかなければいけません。理想と現実は違いますから、収入を少なめにした現実的な計画を立てましょう。

内科・外科ともに開業資金は5,000~6,000万

医院の開業には相当な資金が必要で、一般内科・外科だと、医療機器なども合わせると5,000万円~6,000万円はかかると予想されます。
その資金調達をどこにするのか、いくらまで借りられるのか、スケジュールに合わせた金融機関との交渉が必要です。

設計事務所・工事事業者を選定する

開業するにあたり、こだわりたいポイントが内外装です。設計事務所もしくは工事業者と打ち合わせをし、働きやすい医院を作り上げます。信頼できる設計事務所、工事業者の選定が需要です。

設計事務所の選定はクリニックの設計に慣れたところを選ぶ

設計事務所はいくつもありますが、病院やクリニックの設計を専門に手掛けているところが望ましいでしょう。設計によって費用面も変わってくることもあるので、そういった面も考慮して選ぶ必要があります。

医師やスタッフの動線、待合室の広さ、日当りなど、後から後悔することのないようにスケジュールに合わせて細かく検討しましょう。

内外装工事業者は信頼できる業者を選ぶ

内装・外装工事業者も数多くあります。設計通りに作ればいい、とは言っても業者によって仕上がりや作業効率、費用も違ってきます。
安いからと言って安易に選定するのではなく、成功したクリニックの施工経験を豊富に持つ信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

開院準備に向けた機材やスタッフの確保や宣伝活動

実際に診療をおこなうにあたり、様々な準備が必要になってきます。スケジュールに合わせて早めに動き始めていないと開業に間に合わなくなる恐れもあります。

医療機器は慣れるまでの期間を考慮して注文する

実際に診療していく上では、医療機器ばかりでなく、医薬品や・診療材料・各種の消耗品などの選定作業は欠かせないものです。自分が行う診療では何が必要なのか、細かくチェックしておく必要があります。
特に医療機器や備品などに関しては発注してすぐに納品できるわけではないので、スケジュールに合わせて余裕を持って発注する事も必要です。

スタッフは研修期間も考えて募集する

医院を開業するには看護師や受付医療事務の職員が必要になってきます。
今はどこでも看護師不足ですから、すぐに有能な人材が確保できるとは限りません。
早めにスタッフ募集をし、面接・採用しましょう。
そして少なくとも開業の2週間位前から勤務してもらい、スタッフ研修することも考えておきましょう。
また募集の際には就業規則や給与の検討なども必要です。

医院のロゴは宣伝に効果的

開業しただけでは患者さんは来ません。前もって開業することを周辺住民に知らせておく必要があります。
そのためには、新聞折込やポスティング、ホームページなども早目に作成しておきましょう。
看板を掲げるためにも、チラシを印刷するにも医院のロゴが必要です。
感じの良いロゴがあると宣伝にも効果的です。

医院開業には関係各所への手続きが必ず必要

医院が出来上がったらそれで開業できるわけではありません。
あらかじめ保健所と事前協議を重ねた上で、開設届を提出しなければいけません。
その他にも保険医療機関指定申請、各種公費申請、消防関係にもスケジュールに合わせた申請が必要になります。

医院の開業はスケジュールを立てて進めていく

このように医院開業はそう簡単にできるものではありません。
ましてや勤務医として働きながら開業を目指すとなると、忙しくて仕事にも影響が出てしまう恐れもあります。

また、それぞれに専門家に確認しなければいけない点も多数あり、自分一人で取り組むと開業時期が遅れてしまう、もしくは開業してからトラブルが起こる可能性が高くなります。
それでなくても医院経営は軌道に乗るまで、スタッフが流れをつかむまで時間がかかるものです。
そのため、自分一人で検討するのではなく、実績のあるコンサルタント会社に依頼する事をお勧めします。

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