租税特別措置法第26条(医師優遇税制)を活用した開業医の節税方法とは?

租税特別措置法第26条とは?

租税特別措置法第26条(医師優遇税制)を活用した開業医の節税方法とは?

租税特別措置法第26条とは、個人事業主として開業した個人クリニックに適用できる、節税効果の高い医師優遇税制です。

戦後復興も終わり国民皆保険制度が普及した頃、日本医師会から政府に、保険点数の値上げを要求しました。政府は、その財源不足を理由に保険点数の値上げはできない代わりに、全国で病院が少ない中で活躍する個人経営の医師に、税金を免除してクリニックの資金繰りが容易になることを目的として設けられた法律です。

この法律の制度を利用すると、クリニックの売上高の約70%を概算経費(見なし経費)として計上でき、かなりの金額が節税できます。節税と言うよりも、還付金が受けられるような制度になっています。

もともとは、節税に上限がありませんでしたから、当時にこの制度を活用して開業した医師は、たいへんな資産家になりました。しかし、不公平税制の最たるものとして野党からの突き上げが続いた為、活用範囲が限定されましたが、それでもうまく活用することで、勤務医のときよりも2倍以上の手取り年収を増やすことも可能です。

この制度を活用すると、失敗しにくい経営ができ、手取りも増やせるということで、都心ではたくさんの専門性の高いクリニックが開院するようになりました。クリニックを利用する私達にとっても、とてもメリットがあります。

東京都をはじめとするクリニック過多地域では、2026年4月から開業規制が開始されましたが、日本全国ではまだまだクリニックが不足していますので、この医師優遇税制は、これからも続くと思われます。

租税特別措置法第26条については、税務研究会ホームページ「租税特別措置法 第26条 社会保険診療報酬の所得計算の特例」をご参照ください。

租税特別措置法第26条を活用すると、どれだけ節税できるのか?

租税特別措置法第26条を活用すると、どれだけ節税できるのか?

これから開業医を目指される先生にとっては、「医師優遇税制でどれくらい節税ができるのか?」「どれだけ手元に現金が残るのか?」ということが気になると思います。概算の数字を使って解説したいと思います。

節税効果を試算するために知っておきたい経営の数字

租税特別措置法第26条の節税効果を試算するためには、経営指標となる数字について少し知っておいてください。「経営指標の数字」と言っても、わかりやすく説明するので、ご安心ください。

経営指標の数字とは簡単に言えば、クリニックを開業して患者さんを診療して売上を得て、経費を払って、その残りの利益が黒字になるか赤字になるかの数字のことです。

利益=売上高-経費

売上高よりも経費が上回ってしまったら赤字、売上高の方が多ければ黒字です。経費には、大きく2種類の経費があります。

  1. 1.変動費(比例費)
  2. 2.固定費(ランニングコスト)

変動費とは、患者さんを診察したときに使う医薬品や診療材料などのことです。患者さんの人数に応じて比例して増える経費ですから、比例費とも言われます。

それに対して固定費は、患者さんの数に関係なく、固定でかかる経費のことです。例えば、テナント物件を借りたときの家賃、スタッフさんの人件費、水道光熱費といった経費です。これらの経費は、例え患者さんがゼロだったとしても費用がかかってしまいます。別名として、ランニングコストとも言われます。

先ほどの利益の計算式は、変動費と固定費に置き換えると

利益=売上高-(変動費+固定費)

少し余談になりますが、売上高と変動費は、患者さんの数に比例するので、

利益=患者数×(1人当たりの単価-1人当たりの変動費)-固定費

という式も成り立ちます。この式から、「利益をたくさん得たい」と思ったら、どのようにしたらいいのかが分かります。それは、患者数を多くするか、固定費を減らすかのどちらかです。変動費を減らすことも利益を増やす要因ですが、変動費を減らすことには限界があるからです。

売上高5,000万円のクリニックで節税額を試算

まずは、租税特別措置法第26条を活用しないで、一般的な税務申告をした場合のケースで試算したいと思います。

クリニックの保険診療での売上高が1年間で5,000万円だったとします。その場合の経費額は、診療科によって異なりますがおおよそ2,000万円くらいです。売り上げから経費を引くと残りが3,000万円になります。個人クリニックの場合、この金額が先生の年収になります。

この年収に対して、所得税や住民税、社会保険料などが1,000万円ほどかかりますので、手取り収入が約2,000万円になります。

一般的な開業方法での売上高5,000万円における医師の手取り収入

次に、租税特別措置法第26条を活用した場合の試算をしたいと思います。売上高5,000万円と経費2,000万円は同じです。しかし、税務申告をする経費の金額は、売上高の約70%ですから、税務署には「3,500万円の経費がかかりました」と申告できます。

すると、税務申告する最終利益は5,000万円から3,500万円を引いた1,500万円となります。ところが、申告した経費は3,500万円でも実際に支払った経費は2,000万円ですから、その差額の1,500万円はどこに行くのかと言いますと、税金のかからない先生の手取り収入となります。そして、税務申告する最終利益の1,500万円に税金など500万円がかかり、2,500万円が手取り収入となります。

ミニマム開業で特措法を活用した売上高5,000万円における医師の手取り収入

売上高5,000万円、実際の経費が2,000万円のケースでは、約500万円が節税できる計算となります。ここで言えることは、先生の手取り収入を増やすためには、「実際にかかる経費をいかに抑えられるかが大切だ」ということです。

「年収を5,000万円ではなく、もっと増やしたらいいのでは?」と思われたかもしれませんが、租税特別措置法第26条を活用するためには、1年間の保険診療の売上高が「上限5,000万円まで」と決められているので、これ以上は増やすことができません。こうした適用条件について、次に解説いたします。

実際にかかる経費を最も低く抑えられるのは、医療機器をほとんど必要としない精神科クリニックです。精神科クリニックの場合は、常勤の看護師さんを雇わなければ、手取り収入を最大3,000万円にできます。

節税金額の個別具体的な計算は、平井公認会計士事務所といったクリニック専門の税理士さんが詳しいのでご相談ください。

租税特別措置法第26条を活用できる条件

租税特別措置法第26条を活用できる条件

租税特別措置法第26条を活用できる条件は、次の3つの項目を満たした場合です。

  1. 1.個人事業主(個人クリニック)として開業すること
  2. 2.単年度の保険診療での売上高が5,000万円以下、自費診療での売上高が2,000万円以下であること
  3. 3.税務申告のときに医師優遇税制を活用すること

個人事業主としての開業

初めてクリニックを開業するときには、通常は個人事業主として開業することになります。医療法人として開業するのは2軒目以降の分院開設の時です。医師優遇税制を活用して手取り収入を増やしたい場合は、個人事業主での開業が原則です。売上高5,000万円を超えて1億円以上を目指したい場合には、そのタイミングで医療法人化をお勧めします。

医療法人の分院展開では、5,000万円の売り上げ上限は当然すぐに超えてしまうので、医師優遇税制の恩恵を得ることはできません。租税特別措置法第26条を活用して手取り収入を増やしたい場合は、個人開業で「ミニマム開業」と言われる開業手法を用いることが大切です。ミニマム開業につては、後ほど説明いたします。

売上高の上限

2つ目の条件は、1年間の売上高が保険診療で5,000万円まで、自費診療は2,000万円まで、合計7,000万円までであることです。

これを1円でも超えてしまうと、租税特別措置法第26条を活用できませんから、いっきに税金等が増えてしまい、手取り収入を大幅に減らしてしまいます。その対策として、売上高の見込みを管理し、完全予約制にするなどして、特に年度末の時期には売上高を調整する必要があります。

例えば、精神科クリニックや循環器内科クリニックなどであれば、患者さんが定期的に通ってくださるので、完全予約制にしても良いと思います。耳鼻科クリニックや皮膚科クリニックなどの場合は、新患さんが多いので、1年間の患者数の推移傾向から調整します。

どちらにしても、毎月の売上高の推移を見て、11月の段階で「12月末にどれくらいの売上高になりそうか」を考え、年末年始などの冬期休暇の日数で調整する必要があります。

どのようにクリニックを運営すべきかは、診療科によって異なるため、当社までご連絡いただけましたら、無料相談にて対応いたします。

税務申告のときに医師優遇税制を活用すること

税務申告では、個人事業主の青色申告という方法で申告をします。申告の方法は、当社でもお教えしていますし、税務署の申告窓口に訪ねても丁寧に教えてくれます。

先生ご自身で申告の仕方を覚えておけば、税理士さんとの顧問契約もいらなくなる為、経費を削減できて、その分だけ手取り収入を増やすこともできます。

租税特別措置法第26条を活用しながら、低リスクで手取り収入を増やす開業方法

租税特別措置法第26条を活用しながら、低リスクで手取り収入を増やす開業方法

最後に、租税特別措置法第26条を活用しながら、低リスクで手取り収入を増やす開業方法をご説明します。その方法が、「ミニマム開業」です。

ミニマム開業とは?

ミニマム開業とは、テナント家賃や人件費をできるだけ低く抑えた、クリニックが早期に黒字化しやすい開業方法です。冒頭で経費について解説しまましたが、具体的には固定費をできるだけ低く抑える開業方法です。

ミニマム開業では、次の4つのことをミニマムにして開業することを基本としています。

  1. 1.スペースがミニマム
  2. 2.診療時間がミニマム
  3. 3.スタッフ数がミニマム
  4. 4.ランニングコストがミニマム

スペースがミニマム

スペースをミニマムにするためには、できるだけ大型の医療機器を導入しないで、必要最小限の装備で開業することです。医療機器をたくさん導入して開業すると、それだけ設備投資金額が大きくなり、借入金の返済も大きくなって経営が苦しくなります。また、医療機器を配置するスペースも必要となり、広い面積が必要になってしまい、テナント家賃が上がってしまいます。

スペースがミニマムだと、設備投資に必要な借入金が少なくなりますので、返済も楽になりテナント家賃を低く抑えることができます。

診療時間がミニマム

租税特別措置法第26条を活用したときの手取り収入は、最大2,500円でした。この程度の手取り収入を一般的な税務申告で得ようとしたら、売上高が8,000万円~1億円ほど必要です。つまり、それと比べて半分程度の売上高で多くの手取り収入が得られるわけです。

売上高が半分程度ということは、勤務時間も半分程度になる、もしくは患者さんお一人ずつに丁寧に診察ができるようになります。空いた時間で、子育てなどの家族との時間を取ることもできますし、患者さんへの対応を丁寧にできることでクリニックの口コミもよくなります。

スタッフ数がミニマム

スペースがミニマムですと、スタッフ数がミニマムでもクリニック運営ができるようになります。精神科クリニックであれば、先生ご自身で採血ができれば、看護師さんを雇う必要がありませんから、人件費を最小限に抑えることができます。このように、パートスタッフさんだけで少ない人数でクリニック運営ができるような体制にします。

こうした原則を守ることで、ラニングコストを最小化でき、先生の手取り収入を増やすことができます。

ミニマム開業の支援を実績で選ぶならオクスアイ

ミニマム開業を成功させるためのポイント

ミニマム開業は、単に固定費をミニマムにするだけで運営がうまく行くわけではありません。ミニマムにすべき箇所と、必要な費用を掛けるべき部分のバランスよく計画する必要があります。

例えば、経費を下げるために人通りの多い場所を避けて、患者さんにとってわかりにくい場所で開業をしたとしましょう。すると、固定費となる家賃はかなり安く抑えることができます。ところが、患者さんがほとんど来ないので、売上高が増えませんから、いくら固定費が低くてもたちまち赤字経営になってしまいますので本末転倒です。

また、クリニックの内装設計を見積もり金額の安さだけで選ぶと、先生やスタッフさん、患者さんたちにとって使い勝手が悪くて、仕事の効率も悪いクリニックになってしまい、収益率が落ちてしまう結果になります。

このように、ミニマム開業で租税特別措置法第26条を活用し、安定経営をして手取り収入を最大限増やすためには、入念な事業計画と緻密な内装設計が大切です。そして、ミニマム開業に精通した開業コンサルタントに相談することが何よりも大切になります。

オクスアイに開業支援を依頼するメリット

オクスアイの開業コンサルティングは、租税特別措置法第26条したミニマム開業を得意とするだけではありません。次のようなメリットがあります。

  • なぜ開業したいのか、開業の目的と筋道を明確にできる
  • 開業コンサルティングとクリニックの施設創りを自社で一貫して行い、他の業者に依存することがないので開業の費用が安くなる
  • 開業後は無料で経営コンサルとサポートを受けることができる
  • 医療機器や医薬品などの特定の業者とのしがらみがないので、自院に適した自由な選択が出来る
  • 医療機器購入サポートで、メーカーの卸値のまま最安値で購入できる
  • 建築基準法や消防法などさまざまな法律や制度などに精通しているので、思いもしない高額な出費を抑えることができる

租税特別措置法第26条を活用したミニマム開業で、早期に黒字化して安定経営を実現し、手取り収入を増やしたい先生は、実績豊富なオクスアイにお任せください。当社の開業相談は、何度でも無料です。先生からのお問い合わせ・開業相談をお待ちしています。

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