クリニックをミニマム開業してうまくいく条件とは?4つのミニマムを解説

クリニックの開業手法の一つに、「ミニマム開業」という方法があります。
ミニマム開業の基本的な考え方は、家賃や人件費などの固定費をできるだけ小さくする事です。固定費とは、毎月固定でかかる経費のことです。
しかしながら、ただ単に固定費を小さくするだけでは、開業後に経営がうまくいかないこともあります。ミニマム開業で安定経営をして、先生の手取り収入を伸ばし、理想のワークライフバランスを実現すためには、しっかりとした事業計画が不可欠となります。
ミニマム開業でうまくいく方法をまとめると、次の4つの条件を満たすことです。
- 1.スペースがミニマム
- 2.診療時間がミニマム
- 3.スタッフ数がミニマム
- 4.ランニングコストがミニマム
ミニマム開業で手取り収入が増える仕組みや、これらの4つの条件について、解説いたします。
ミニマム開業をご検討中の先生は、ぜひ最後までご覧ください。
ミニマム開業で手取り収入が増える仕組み

個人の開業医には、租税特別措置法第26条という医師優遇税制が活用できます。この税制を活用することで、先生の手取り収入を大幅に増やすことができます。
医師優遇税制が認められるための条件
医師優遇税制を活用できる為には、次の条件を満たすことが必要です。
- 1.個人事業主(個人クリニック)として開業すること
- 2.単年度の保険診療での売上高が5,000万円以下、保険外診療での売上高が2,000万円以下であること
- 3.税務申告のときに医師優遇税制を活用すること
この条件を満たすと、租税特別措置法第26条によって、概算経費(見なしの経費)が認められます。事前に申告する必要はありません。
概算経費とは、売上高に応じて一定の割合を経費として認められるというものです。具体的には、次の表のような割合で概算経費が認められます。
| 売上高の金額 | 概算経費 |
|---|---|
| A. 2,500万円以下 | 72% |
| B. 2,500万円を超え、3,000万円以下 | 70% |
| C. 3,000万円を超え、4,000万円以下 | 62% |
| D. 4,000万円を超え、5,000万円以下 | 57% |
医師優遇税制が認められると?
簡単に言うと、「売上高に対して約70%が必要経費として認められる」というものです。
例えば、保険診療での売上高が5,000万円だとすると、概算経費として約3,500万円を必要経費として認められます。領収書を集計して帳簿を作る必要もなく、「約3,500万円の経費がかかりました」と確定申告ができます。
クリニックを経営してみると、売上高が5,000万円のクリニックの場合、実際にかかる経費は、おおよそ次のとおりです。
| 診療科目 | 1年間の経費 |
|---|---|
| 精神科クリニック | 約1,500万円 |
| 小児科クリニック | 約2,000万円 |
| 皮膚科クリニック | 約2,000万円 |
| 産婦人科クリニック | 約2,000万円 |
実際にかかった経費と、申告をする必要経費の差額分は、支払っていないので手元に残るお金になります。「この金額が手取り収入に追加される」という優遇税制です。
手取りは具体的にいくらになるのか?
売上高5,000万円のときに、概算経費が売上高の70%の約3,500万円です。そして、実際にかかる経費は、約1,500~2,000万円です。その差額を、手取り収入として良い計算になります。
この条件での手取り収入を試算したいと思います。
| 売上高 | 5,000万円 |
|---|---|
| 概算経費 | 約3,500万円 |
| 申告する利益 | 約1,500万円 (5,000万円-約3,500万円) |
| 税金等 | 500万円 |
| 年収 | 1,000万円 (1,500万円-500万円) |
| 実際の経費 | 約1,500~2,000万円 |
| 概算経費との差額 | 約1,500~2,000万円 |
| 手取り収入 | 約2,500~3,000万円 (1,000万円+1,500~2,000万円) |
医師優遇税制を活用することで、売上高が5,000万円でも、手取り収入が2,500~3,000万円になります。これは、一般的な収入と比較するならば、年収4,500~5,000万円に相当します。売上高5,000万円で、年収が5,000万円相当という、少し不思議な手取り収入になります。
この手取り収入を一般的な開業方法で得るためには、約1億円の売上高が必要です。医師優遇税制を活用すると、その半分の売上高で、同じ程度の手取り収入が得られます。つまり、1億円の売上高を目指すクリニックと比べてみると、患者さんの診療を半分に減らしても、同じくらいの手取り収入が得られます。
余裕のある時間で、患者さんを丁寧に診療したり、子育てなどの家族の時間に使ったりする先生も多いです。

手取りを最大化させる方法 = ミニマム開業
医師優遇税制を活用して手取り収入を最大化させる方法は、概算経費の金額と実際にかかった必要経費の差額を最大にすることです。つまり、できるだけ必要経費がかからないように事業計画を立てて開業をする「ミニマム開業」を計画する事です。
しかし、ただ単に必要経費を少なくするだけでは、クリニック経営がうまくいくとは限りません。なぜなら、例えば「経費を低くするために、広告宣伝費を削った」とすると、広告をしませんから患者さんがクリニックの存在を認知できなくて、「開業したけれども患者さんが来ませんでした」という結果になってしまい本末転倒です。
ミニマム開業では、できるだけ不要な経費を削りますが、必要な経費はしっかりかけることが大切です。
以下、ミニマム開業でうまくいくための4つの条件について、わかりやすく解説いたします。
1. スペースがミニマム

最初に、「スペースがミニマム」ですが、スペースとはクリニックの広さのことです。
広い物件は、家賃も内装費も高額になり、経費が多くかかるようになります。家賃は毎月の支払として、内装費は借入金の返済として、毎月の固定費が重くのしかかります。それらの負担をできるだけ軽くすることで、経営も楽になります。
ミニマムなスペースの場合には、患者さんとスタッフのスムーズな導線設計が大切になります。動線が悪いと、使い勝手の悪いクリニックになってしまいます。また、内装工事の見積もり金額の安さだけで業者を選んだ場合も、結果的には使い勝手の悪いクリニックになってしまう場合が多いです。
内装工事は、一度作ってしまったら、後で作り直しができません。そのため、ミニマム開業をする場合の内装設計は、ミニマム開業を熟知した専門の業者さんに設計・施工を依頼することをおすすめします。当社では、ミニマム開業の内装設計と施工に多くの実績がありますので、開業コンサルティングと併せてお任せいただけたらと思います。
2. 診療時間がミニマム

クリニックの開業時間は、朝から晩までフル稼働が正解とは限りません。先ほど1億円と5,000万円の売上高でシミュレーションしたように、医師優遇税制を活用すると、半分の患者数で同等の手取り収入が得られるわけですから、半分の開業時間でもかまわないわけです。
また、患者さん一人一人に丁寧に診察することも可能です。すると「あのクリニックは、先生が丁寧に診てくださる」ということで、良い口コミが広がりやすいです。すると、患者さんの数が増えて、売上高が5,000万円を超えてしまいそうになりますので、「12月は長期間の冬期休暇を取ります」というクリニックもあります。
また、半分の空いた時間を、家族との時間もしっかり取る先生もいらっしゃいます、先生によっては「体力がないから、1日5時間だけ開業したい」という先生もいれば、「夕方に子供が学校から戻ってくる時間までの間だけ開業したい」という先生もいて、ワークライフバランスを考えた開業も可能になります。
3. スタッフ数がミニマム

3つ目が、スタッフを少人数で開業させることです。必要経費をできるだけ抑えることで、先生の手取り収入を増やすことができますが、クリニックでかかる経費の大部分が、テナント賃料とスタッフの人件費です。
テナント賃料は、1つ目の「スペースがミニマム」で説明した通りです。スタッフの人件費は、スタッフの人数を、本当に必要な人数だけにして、パート勤務のスタッフさんのみを採用し、残業などのない無理のない勤務体制をつくることです。すると、採用や離職に振り回されにくくなります。
精神科クリニックであれば、先生が採血までできるようになっていたら、看護師さんを採用しなくても受付のパートスタッフさんお一人だけでも、クリニックを運営できるようになります。
4. ランニングコストがミニマム

先ほど、テナント賃料と人件費を抑えることを述べました。これらは、ランニングコストとして毎月かかる費用になります。また、高額な医療機器を導入した場合にも、多くのランニングコストがかかってしまいます。
医療機器も、スペースやスタッフと同様に、必要最小限に抑えて開業し、必要性が出てきたらそのときに検討します。最初から、高額な医療機器をたくさん導入すると、それだけスペースの広さや、医療機器を操作するスタッフが必要になりますので、ミニマム開業が難しくなります。
ランニングコストを低く抑えることができれば、その分だけ少ない売上高でも黒字化しやすくなるので、クリニック経営を早期に黒字化できる事になります。
黒字化するのが大変な大きな規模のクリニックと、黒字化しやすく手取り収入を大幅に増やすことができるミニマム開業のクリニック、先生はどちらの開業を選びますか?
ミニマム開業の無料相談なら実績多数のオクスアイ
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- 開業規制が始まったが、開業できるのか?(できます)
- 先生の専門科目で、ご希望の開業場所にて、ミニマム開業が可能か?
- ミニマム開業をすると、どの程度の手取り収入になるか、実際の数字でシミュレーション
- 開業に備えて、どのようなスケジュールで動いたらいいのか? どれくらいの自己資金を貯めたらいいか?
- 開業物件をいっしょに探して欲しい、いっしょに見てもらいたい
ご相談は、オンライン面談にも、当社にて直接のご面談にも対応しています。先生からのご連絡をお待ちしています。


