クリニック開業での運転資金を徹底解説!金額は?何に使う?

クリニックを新規開業するときの費用には、設備投資のための費用(初期費用)と、もう一つの費用として運転資金があります。
運転資金をしっかり準備しておかないと、クリニックを開業しても、場合によっては半年もしないうちに経営危機に陥ってしまうこともあります。運転資金の重要性を理解していないと、開業直後から資金繰りの大変な苦しみに遭うこともあります。
本当に、当社以外の開業コンサルタントに支援を依頼して、運転資金で苦しむ先生が後を絶ちませんf。
この記事では、運転資金の意味や、用途、金額などを徹底解説します。開業医を目指している先生は、ぜひともこの記事を読み返して、運転資金についての知識を持っておいてください。そして、支援を依頼した経営コンサルタントの指導に反しても、この記事で紹介しているくらいの金額を準備するようにしてください。
もし、「運転資金は少なくても問題ない」というようなアドバイスを開業コンサルタントがしていたら、そのコンサルタントと契約することは避けた方が賢明です。
当社の無料開業相談では、運転資金についての解説も行っています。「この記事を読んでもよくわからない」という先生は、当社の無料開業相談をご利用ください。
運転資金とは?

開業費用とは、開業するための費用のことです。クリニックを新規開業するためには、テナント物件を借りたり、内装工事をしたり、スタッフさんを雇い、什器を設置し、備品を購入し、ホームページを制作したりと、開業するまでの初期費用がかかります。これらの費用のことを、設備投資費用といいます。
設備投資費用がなければ、クリニックを開業することはできません。この設備投資費用の必要性については、誰でもわかることです。
そして開業初日を迎え、無事に開業ができたとします。実はそこからかかる費用があります。その費用とは、ランニングコストの支払いです。ランニングコストには、毎月かかる家賃や水道光熱費、スタッフさんの人件費などがあります。
これらのランニングコストは、基本的に、患者さんを診療して得られる診療報酬からまかないます。
ところが、開業直後は、次のような問題があります。
- 開業直後は患者さんがあまり来ない
- 保険診療報酬の大部分が約2か月後に振り込まれる
開業直後は患者さんがあまり来ない
クリニックを開業して、その直後から満員御礼となるようなくらいに患者さんが来院してくださるような繁盛店になれば、ランニングコストの支払いは、あまり問題とはなりません。
ところが、そうはいかずに、1日にMAXで診ることができる人数の、半分にも満たない状態が続くこともあります。開業直後は、「患者さんがゼロ」という日もあるかもしれません。
仮に患者さんがゼロ人であったとしても、毎月の家賃や人件費などの支払いは、無常にも待った無しで訪れます。
保険診療報酬の大部分が約2か月後に振り込まれる
また、仮に患者さんが多く来院してくださったとしても、その場での窓口の支払いは、1割か3割です。残りの9割や7割の代金は、レセプト請求してから約2か月後に支払われます。
さらに、今ではカード決済などが主流で、受付で現金の支払いをしないところもあります。そういった場合には、1割か3割の窓口現金も、後日の振り込みになってしまいます。
つまり、「患者さんの診療をしても、その代金の大部分が約2か月後に振り込まれる」というシステムになっています。
ランニングコストの支払いができなくなったら?
クリニックを開業して、患者さんが少なく、さらには現金が得られるのが診療をしてから約2ヶ月後ということで、ランニングコストの支払いが難しくなったと仮定しましょう。すると、そのクリニックはどうなるでしょうか?
まず、スタッフさんに「来月は給料が払えません」と言ったら、スタッフさんたちは全員辞めてしまいます。スタッフさんが全員辞めてしまったら、すべての業務を先生が一人で行わないといけなくなり、クリニックを運営することができなくなります。さらに、「給料を支払ってください」とうことで、訴訟を起こされることもあるかもしれません。
また、大家さんに「家賃が支払えません」ということを言えば、「では、テナントから出ていってください」と言われてしまいます。すぐに追い出されることは無いと思いますが、大家さんに迷惑をかけてしまうことにもなります。
結果としてクリニックの経営ができなくなり、クリニックが倒産してしまいます。
開業当初のクリニックを維持するための運転資金
そういった事態を防ぎ、開業当初の経営危機を防ぐための資金のことを運転資金といいます。
運転資金が十分にあれば、開業直後に患者さんの来院数が少なくても、先生は安心して医療活動に取り組むことができます。十分な運転資金を準備しておくことは、低リスク開業のポイントの一つです。低リスク開業には、他にもいくつかポイントがありますが、別の機会で解説したいと思います。
ここで、ぜひとも先生に知っておいてもらいたいことがあります。それは、「開業コンサルタントによっては、この運転資金の重要性を軽く見ている人もいて、十分に準備することを勧めない人もいる」ということです。
このような間違った考え方で開業したクリニックが少なからずあります。
開業後に当社に相談をいただくこともありますが、その段階では「銀行に交渉して、追加で資金を借りてください」と言うしかありません。ところが、銀行からすると、「事業計画の甘さから招いた資金不足なので追加の融資はできません」と断られる可能性が高いです。
銀行としては、経営がうまくいっているところに多く融資したいので、資金繰りに苦しんでいる開業して間もないクリニックには、あまり融資をしたくないと言うのが本音です。
運転資金はいくら準備しておけば良いのか?

運転資金の目安
では、運転資金をいくら準備しておけば良いのでしょうか。その金額は、もちろんクリニックの事業規模によって異なります。一般的な規模での開業とミニマム開業とでは、おおよそ次の金額があれば安全です。
- 一般的な規模での開業方法・・・2,000~3,000万円
- ミニマム開業・・・1,000~1,500万円
一般的な規模での開業方法での2,000万円、ミニマム開業での1,000万円は、これは最低ラインです。東京都内の激戦地区では、一般的な規模での開業方法では3,000万円、ミニマム開業では1,500万円くらい準備しておくことが望ましいです。
黒字になったら運転資金の目減りが止まる
予想以上に、たくさんの患者さんが来院してくれるようになり、黒字になった時から、ランニングコストは診療報酬から賄うことができるようになります。すると、運転資金の目減りが止まります。
クリニックを開業した直後は、この段階を目指します。
この段階に達したときから、先生の手取り収入が増えてきます。その増えた手取り収入は、そのまま使ってしまうのではなく、また残った運転資金を使ってしまうのではなく、運転資金に補填して目減りした手元の資金を回復させるようにしてください。
運転資金が減った状態のままでいると、何かマイナス要因が発生したときに、倒産の危機を迎える可能性があるからです。できれば、運転資金は最低でも1,000万円ほどは残っているように努めてください。
マイナス要因とは、例えばテナントや医療機器の更新であったり、競合クリニックが出現したときの対策などです。もし近隣に競合クリニックが出現したら、売上が落ちてしまうこともあります。そのときに、運転資金が少なかった場合には、有効な対策を打つことすらできなくなり、あっけなく倒産してしまいます。
運転資金が余ってしまったら?
さらに黒字化が進み、運転資金が2,000万円を超えてきたらどうしたら良いでしょうか。そうした場合には銀行への繰り上げ返済に回してください。繰り上げ返済とは、毎月一定量の返済金額以上に、まとまったお金を先に返済してしまうことです。
銀行としては、繰り上げで返済されても、何も言われることはありません。「クリニックが繁盛しているのですね」ということで、良いことだと判断されます。銀行が気にすることは、その反対に返済が滞ることです。
そして、過剰な運転資金を返済するときに、運転資金をすべて返してしまうのではなく、一定量を残しておくことが大切です。
さらに、クリニックを拡大するために移転をしたいと考えている場合には、もっとたくさんの余剰資金を貯めておくことが大切です。
運転資金をたくさん準備する方法

開業資金はすべて銀行から調達する
運転資金の準備は、銀行などの金融機関から調達することを基本とします。勤務医時代の給料を貯めていって、自己資金をつくり、それを設備投資の資金や運転資金として利用する先生もいますが、事業の基本としては開業資金のすべてを、銀行から調達することです。
自己資金で開業をすると、借入金の金利支払いや返済が無いので、経営が楽になりますが、予想外のトラブルが発生して売り上げが減った場合、事業を継続するための予備の資金が無くなってしまう事になります。
事業に必要な資金はすべて銀行から調達することが事業の原則です。借りた資金の返済ができないようであれば、事業の継続性に問題がありますので、初めに立てた事業計画に問題があると言えるでしょう。
さて、運転資金は1,000万円以上、場合によっては2,000万円以上という大きな金額を、銀行にから借り入れて準備します。すると、銀行から「そのような大きな金額は必要ないのでは?」と、多額な運転資金の融資に疑問を持たれてしまう場合もあります。
十分な運転資金を融資してもらうためには、コツがあります。
十分な運転資金を得るための事業計画
資金調達を銀行に申し込むときに、クリニックの事業計画を提出します。事業計画とは、クリニックを開業したときの患者数や売上高、利益、毎月の返済などの予測計画を記載した書類です。
その事業計画が、銀行にとって魅力的な内容であれば、たくさんの開業資金を貸してくれます。銀行にとって魅力的な内容とは、「たくさんの患者さんが来院し、たくさん利益があげられるので、返済は大丈夫です!」と計画されたものです。
銀行が気にすることは、「貸したお金を利息をつけてキチンと返してもらえるだろうか?」というものです。そのため、たくさん利益があげられるような事業計画であれば、「たくさん融資しても大丈夫だ」と判断してもらえます。
銀行からたくさん借りても大丈夫?
ここで、「銀行からたくさん借りても大丈夫だろうか?」「たくさんの患者さんが計画通りに来てくれるのだろうか?」と思われる先生もいらっしゃることでしょう。先ほど説明したように、開業当初は「患者さんがゼロ」という日もあるかもしれません。もちろん、むやみにたくさん借りてしまったら返済が苦しくなります。
ここは、開業コンサルタントの知見が問われるところです。
さて、どのように事業計画を立てるのかと言いますと、当社の進め方をご説明すると、次の2種類の事業計画を立てます。
- 資金調達用の事業計画
- 実際の経営で使用する事業計画
銀行に提出する「資金調達用の事業計画」は、開業後に患者さんがたくさん来院してくれて、予定通りに黒字になるような事業計画です。後者の「実際の経営で使用する事業計画」は、経費をできるだけ手堅く抑え、少ない患者数でも利益が出るように立てる計画です。
銀行は、毎月きちんと返済してくれたら、「きちんと経営ができている」と判断しますので、2種類の事業計画が存在していても問題ありません。その様にして、運転資金を十分に調達することができれば、開業当初の経営がとても安定してきます。
自己資金は運転資金の最終手段とする

先ほど、「開業資金は自己資金ではなく、銀行融資から調達すること」と説明しました。しかし、自己資金がゼロであるとしたらそれも問題となります。自己資金は、ある程度の金額を準備しておくことで、条件の良いテナントでの開業がしやすくなります。
準備すべき自己資金の金額は500万円~1,000万円ほどで良いのですが、詳細は「クリニック開業で自己資金をいくら準備したらいいのか?金額や用途を解説」をご参照ください。
さて、開業資金は銀行から借りたお金で賄うので、準備しておいた500万円~1,000万円の自己資金をどうしたら良いのか?という疑問が出るかもしれません。
その自己資金は、予定通りに売り上げが伸びなかったりした場合の、いざというときのために念のため置いていてください。本当にいざというときのために、バックアップの資金としてとして置いておきます。
十分な運転資金と、さらに念のための自己資金があることで、開業後のクリニック経営は安泰となります。
オクスアイのクリニック開業支援
オクスアイのクリニック開業支援のスタンスは、開業後にできるだけ低リスクな経営を実現すことです。
開業支援は、先生の理想の確認から始まります。勤務医としての安定を捨ててリスクを取って開業を選ぶ先生には、それぞれの志を持っていることでしょう。今の先生の悩みや希望などをヒアリングしてから、さまざまなパターンの開業事例をご説明して、先生にとって理想的な開業スタイルをご提案いたします。
オクスアイのメリット
オクスアイによるクリニックのミニマム開業支援は、次のようなメリットがあります。
- ミニマム開業のコンサルティングや内装設計に精通している (実績多数)
- なぜ開業したいのか、開業の目的と筋道を明確にできる
- 銀行からの資金調達にも精通している
- 開業コンサルティングを一貫して行い、他の業者に依存することがないので開業の費用を安くすることができる
- 開業後は無料で経営コンサルとサポートを継続して受けることができる
- 医療機器や医薬品メーカーなどの特定の業者とのしがらみがないので、自院に適した自由な選択が出来る
- 建築基準法や消防法などさまざまな法律や制度に精通しているので、思いもしない高額な出費を抑えることができる
オクスアイがお役に立てる医師
オクスアイは、次のような先生のお役に立ちます。
- 低リスクで開業したい医師
- 開業に対する不安が大きい医師
- 開業した方が良いかどうか悩んでいる医師
- 開業したいが何をしたら良いかわからない医師
- 開業に関する専門的な知見を求める医師
- 利益を上げやすい開業をしたい医師
- 子育てをしながら開業したい女医
- 定年後にご自身の居場所を作りたい医師
オクスアイの開業相談は、何度ご相談いただいても無料です。低リスクなクリニックの開業を希望している先生は、オクスアイまでお気軽にご相談ください。



