クリニック開業の成否は立地にあり!?医院開業の基礎知識と注意点

「数が増えると貶められる」と言う言葉があります。
数が多くなると、希少価値が薄れてそれまで占めてきた社会的な地位が失われるということです。

日本全国で毎年数多くの医院開業がなされています。
しかしながら現在は昔と違って、開業しても100%成功するわけではありません。

開業を準備するプロセスの中で、様々な要素によって成功と失敗の分かれ目に遭遇します。
正確な情報を基に開業準備や経営判断を行う事で、開業成功への最短距離を進むことが可能になります。

医院開業する際の基礎知識について

開業を考える医師は、それまで勤務してきた病院で実務経験をしっかりと積んだ人たちです。
臨床経験も豊富で、勤務先でもそれなりのポジションに就いているため、自信満々なケースも見られますが、事、医院の開業や経営に関する知識はほぼ皆無であると言えます。
そのままの状態で開業した場合には、経営を継続させることができず、負債だけが残ってしまうことにもなりかねません。

先ずは、基本的な問題として何のために開業をしたいのか、その目的を明確にすることです。
目的が曖昧であると、様々な判断を行う場合の拠り所が見つかりません。
目的が明確であれば、色々な場面で的確な判断が可能になり、必要な資金や開業後の収支予測を立てることも容易になります。

医院開業の前にチェックしましょう

その場しのぎの状況判断を繰り返すと、予想外の資金が必要になったり、許容範囲を超える額の借入を行うなどの結果を招き、開業後の資金繰に窮して多額の負債を残しながら廃業せざるをえないと言う結果を招く事にもなりかねません。

開業の立地に関しては、患者さんが通いやすく分かりやすい場所を選ぶのは当然の事ですが、それに加えて居心地の良い院内の雰囲気を作る為の、内装へのこだわりも患者さんに対する有効なアプローチとなります。
居心地が良くて訪れやすい、なおかつ清潔な印象を与えることができる医院を作る事は、 開業を成功させる為の必須条件です。

その上で、診療業務を効率よく行うための医師と患者さんの動線を理解し、ゆとりある待合室や通路を確保するなどの計画も、医院の設計と内装に反映させる事が不可欠です。

開業をする際の立地について

開業の立地は後で変えることはできません。
どの様な患者さんに来て頂きたいのかを明確にする事で、開業のエリアを選定することができます。
その上で、より多くの患者さんに来ていただけるような、分かり易い場所にある物件を選定する事が肝心です。
いくら優れた技術があっても、医院の立地条件が悪くては経営を軌道に乗せることが難しくなります。
近隣にある他の医療機関の数や地域の人口構成、駅やバス停などからのアクセスのしやすさなども重要な要素となります。

地域によってターゲットとなる患者の層が異なることもあります。
医院の専門分野と来院する患者さんのニーズが一致していなければ、安定した医院経営は実現できません。
例えば、耳鼻科や小児科などは比較的ファミリー層が多い場所がおすすめですし、内科・整形外科などは高齢者が多い地域での開業が有利です。
ただしこれらもあくまで一般論ですから、競合先との関係性やアクセスのしやすさ、立地のわかりやすさなども、成功のためには欠かせない要素となります。

 

医院開業には立地が重要です

立地条件に関しての誤った判断が元で失敗してしまう例も少なくありません。
毎年数多く開業している医院の中には、立地が原因で廃業してしまうところも少なくありません。
ただし、医院開業する際に最適な立地条件の場所を見つけることは簡単ではありません。
開業の目的と、調達可能な資金力、医院として必要な設備計画や効果的な看板の取り付けが可能かなど、多くの要素を同時に判断出来るだけの経験をもつプロフェッショナルに依頼する事も必要です。

医院開業で気を付けることとは?

新たに医院開業をする場合には、ハードからソフト面にわたる様々な分野の知識と技術力が要求されます。
勤務医を長く続けていて、診療技術に輝かしい実績を残している場合、医院開業をしても成功すると思い込んでいる場合があります。
しかしながら、現実には診療の技術力や実績だけでは集患することは難しいです。 立地条件や内装、接遇などに至るまで事細かなサービスにも気を配らなくてはなりません。
過去の実績におごることなく、利用者のことを考えた形を目指すことこそが成功への近道です。

また、経営管理に関しても、しっかりとした体制を作る必要が有ります。
独立すると税務や経営、従業員教育、広告宣伝活動などを同時に行う必要が出てきます。
1人の医師としての立場から医師兼経営者になるわけなので、沢山の知らない事が一気に押し寄せてきます。
ご自身のポリシーはしっかりと持ちながら、医院の開業をサポートする専門家のサービスの利用やアドバイスを利用することも重要です。

 

医院開業は利用者目線で考えましょう

開業成功のためには、様々あるポイントの中でも特に大切な点は、利用者目線で考えるということです。
医療レベルが高くても一般的な患者様は気づきませんし、不便を感じるところがあるとすぐに違う医院を利用してしまいます。
ですから多方面から患者様が求めている事柄を察知し、それをいろいろな形で実現させて行く事が肝心です。

医院開業を検討する場合、場所と資金とタイミングの3要素が大切です。
開業した後は、場所とメニューとサービスの3要素が重要になってきます。

立地条件の重要性や周辺住民の属性、診療科目等の特性、近隣の競合関係といった基礎知識を踏まえた上で準備を行いましょう。
また、実際に自分自身が出来る事を明確にした上で、いたずらに背伸びをすることなく開業に伴うリスクを知り、それを避ける形で開業を行えば自ずと成功する確率は高まります。
利用する患者さんの事を第一に考えながら、経営者としての税務や従業員教育、経営に関する様々なことにも配慮する事が求められます。

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