精神科開業医の年収はいくら?失敗しない開業で手取りを増やす方法

東京都内の駅前には、多くの精神科クリニックがあり、10年ほどで数が急激に増えたと思います。そういった中で競争に負けて潰れる精神科クリニックもあれば、安定経営をしている精神科クリニックもあります。
競合の多い中で、漫然と開業をすれば、もちろん既存の精神科クリニックに負ける恐れがありますが、ミニマム開業と言われる開業方法を採用することで、安定経営を実現し、更に手取り収入を増やすこともできます。
この記事では、精神科開業医の年収がいくらになるのか、その計算方法と、ミニマム開業をしたときの手取り収入と、ミニマム開業を成功させるためのポイントをご紹介します。
勤務医の年収は1,200~1,500万円ほどと言われていますが、ここでご紹介する開業方法を利用すると、同程度の勤務状況でも手取り収入を2倍ほどに増やすことができます。この開業方法は、これから精神科クリニックを開業しようとしている先生とって、とても大切なことですから、ぜひ最後までご覧ください。
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精神科クリニックを従来型の方法で開業したときの年収の計算方法
精神科クリニックを個人事業主として開業すると、先生の年収は次の式で求められます。
年収=売上高-固定費-変動費
固定費とは、スタッフさんの給与やテナント家賃、水道光熱費などの、売上高にほとんど影響しないで固定で定期的に支払う金額のことです。
変動費とは、血液検査の外注費などの売上高によって変動する費用のことですが、精神科クリニックの場合は変動費は5%程度の割合となります。変動費は売上高に比例するので、売上高に対する変動費の割合(変動費率)で表すと、
年収=売上高×(1-変動費率)-固定費
精神科クリニックの変動費率は約5%、固定費は事業規模によって異なり、売上高1億円を目指す場合は、常勤医師やスタッフさんも多く必要とするので約5,000万円、売上高8,000万円程であれば約4,000万円です。
売上高1億円の年収(試算)
年間の売上高が1億円の精神科クリニックの場合、固定費が5,000万円で、変動費率が5%ですから500万円でした。すると年収は、
年収=1億円-5,000万円-500万円=4,500万円
となります。ここから所得税や住民税、社会保険料等が差し引かれて、手取り収入は約3,000万円になります。そして、この金額から借入金の返済をすることになりますが、売上高1億円の精神科クリニックの場合での借入金は、おおよそ7,000万円ほどになり、この元本を10年で返済する場合は、年間で700万円ほどの返済をします。
すると、実際の手取り収入は3,000万円から700万円を引いた、2,300万円となります。
このように、年収は4,500万円であったとしても、実際の手取り収入は2,300万円ほどと、かなり少ない金額になってしまいます。

売上高8,000万円の年収(試算)
次に、年間の売上高が8,000万円の精神科クリニックでの年収を試算したいと思います。固定費は、非常勤医師とスタッフさんの人数、テナント家賃などを合わせて、固定費は4,000万円ほどになります。変動費率は5%として400万円になります。すると年収は、
年収=8,000万円-4,000万円-400万円=3,600万円
となります。ここから所得税や住民税、社会保険料等が差し引かれて、手取り収入は約2,600万円になります。そして、この金額から借入金の返済をすることになりますが、売上高8,000万円の精神科クリニックの場合での借入金は、おおよそ6,000万円ほどになり、この元本を10年で返済する場合は、年間で600万円ほどの返済をします。
すると、実際の手取り収入は2,600万円から600万円を引いた、2,000万円となります。
このように、年収は3,600万円であったとしても、実際の手取り収入は2,000万円ほどと、やはりかなり少ない金額になってしまいます。

売上高1億円と8,000万円の精神科クリニックの違い
手取り収入は、売上高1億円を目指す精神科クリニックの方が、売上高8,000万円を目指すクリニックよりも若干多くなりますが、売り上げが2,000万円も上がっている割に、手取り年収は300万円くらいしか上がっていません。
その理由は、固定費の差にあります。売上高1億円を目指す場合は、広て立地条件の良い場所での開業が求められます。立地条件が良くないと、集患に失敗しやすいため、どうしても坪単価の高い場所での開業が必要となります。また、常勤の医師やスタッフさんも多く雇わないといけなくなるため、固定費も跳ね上がります。
1億円の売上高を達成するためには、1日に100人くらいの患者さんを診察しないと黒字にならないことから、院長一人でこなせる仕事量ではなくなり、常勤や非常勤の医師を雇うことが必要になります。すると、固定費が高くなり、経営リスクも高くなるため、安定した経営は難しくなります。
精神科クリニックの開業医を目指す場合は、分院展開するほどの積極的な開業を目指すか、売上高を低く抑えても黒字化しやすい安定経営を目指すかのどちらかになります。当社では、後者の安定経営をしながら、高い手取り収入が得られる方法をおすすめしています。
売上高5,000万円の精神科クリニックの手取り収入
売上高をさらに低く設定し、5,000万円だったとします。するとこれまでの事情とは大きく異なります。
租税特別措置法第26条(特措法)を活用したときの手取り収入
年間の売上高が5,000万円の精神科クリニックの場合、スタッフさんは受付1人でも運営ができ、先生が採血まで担当出来れば看護師さんを雇う必要もなくなりますので、固定費は1,000万円ほどで済みます。また、変動費率が5%とすれば250万円です。すると年収は、
年収=5,000円-1,000万円-250万円=3,750万円
となります。ところが、個人事業主の開業医で、診療報酬が年間5,000万円以下の場合は、租税特別措置法第26条(社会保険診療報酬の所得計算の特例)を受けることができます。この法律は、簡単に言うと「売上高が5,000万円以下だと、概算経費が適用され、売上高の約70%の経費がかかったものとすることができる」というものです。つまり、税務申告をするときに、実際には経費の合計が1,250万円かかっていたとしても、税務署への申告では5,000万円の70%、「3,500万円の経費がかかりました」と申告ができます。
租税特別措置法第26条を利用すると、先生の手取り収入はどうなるのでしょうか?
年収=5,000万円-3,500万円=1,500万円
これが税務署に申告する年収です。ここに所得税や住民税、医療保険等が500万円ほどかかり、税務申告での手取り収入は1,000万円になります。これが第一の手取り収入となります。
次に、税務申告したときの経費は3,500万円ですが、実際に支払った経費は固定費が1,000万円、変動費が250万円、合計1,250万円です。その差の2,250万円は手元に残っています。これが第二の手取り収入となります。
また、租税特別措置法第26条を活用したときの借入金はおおよそ5,000万円ですので、それを10年で返済すると毎年500万円の返済となります。すると先生の手取り収入は
手取り収入=1,000万+2,250万円-500万円=2,750万円

精神科クリニックの売上高と手取り収入の比較
精神科クリニックの売上高が1億円、8,000万円、5,000万円での手取り収入の比較をしたいと思います。次の表をご覧ください。
| 売上高 | 手取り収入 |
|---|---|
| 1億円 | 2,300万円 |
| 8,000万円 | 2,000万円 |
| 5,000万円 | 2,750万円 |
売上高が1億円のときと、5,000万円のときの手取り収入を比較してみたいと思います。患者さんの診察数が半数であっても、手取り収入を大幅に増やすことができます。不思議な話に聞こえますが、実際にシミュレーションすると、おおよそこのようになります。売上高を増やすために、固定費が大幅に増えてしまい、資産の生産性が悪くなってしまうからです。
少ない患者さんの数であったとしても、先生の手取り収入が大幅に増やせるのであれば、それだけ安定経営ができることを意味します。なぜなら、売上高1億円を目指す場合には、固定費が多くかかり、それだけたくさんの患者さんを診察しないと黒字化が難いからです。また、たくさんの患者さんを集患できて、たくさん働いて1億円の売上高を達成しても得られる手取り収入は減ってしまいます。
租税特別措置法第26条を活用した開業方法が存在すること、売上高を5,000万円以下に抑えることで手取り収入を大幅に増やせることを、これから精神科クリニックの開業を目指す先生は、ぜひとも知っておいてください。
租税特別措置法第26条を活用し手取り収入を増やすポイント
租税特別措置法第26条を活用し手取り収入を増やすポイントをご紹介します。このポイントを抑えないと、租税特別措置法第26条を活かすことができなくなり、手取り収入を減らしてしまう恐れもあります。手取り収入を増やすポイントは、毎月の経費をできるだけ低く抑えることです。このような開業方法のことを、ミニマム開業といいます。
ポイント1.立地条件の良い場所で開業すること

精神科クリニックの開業は、テナントを借りて開業することがほとんどです。経費をできるだけ低く抑えることがポイントとは言え、立地条件が悪いと集患ができなくて赤字になり、手取り収入を増やすどころではなくなります。
テナントを借りる場所は、集患がしやすい場所が絶対条件となりますが、繁華街などの人通りが多い場所は、集患がしやすいものの家賃の坪単価が高くなります。そこで、坪単価が高い場所であったとしても、テナントの広さをある程度コンパクトに抑え、家賃の支払いが比較的安くなるところを借ります。
ポイント2.スタッフは受付1人のみ

経費をできるだけ低く抑えるポイントは、スタッフさんの人数を少なく抑えることです。できれば、受付スタッフ1人のみに抑えます。精神科クリニックは医療機器を利用しないため、血液検査が必要なときは、採血は先生ができるように、開業前に練習しておいてください。そうすれば看護師さんを雇う必要もありません。
スタッフの人数が1人ですと、更衣室や休憩室は必要ありませんから、テナントの広さが狭くても開業は可能です。また、完全予約制にすることで待合室も小さくて済みます。
ポイント3.特措法を活用した開業に知見のあるコンサルタントに依頼すること
3つ目のポイントは、租税特別措置法第26条を活用した開業に知見のあるコンサルタントに依頼することです。租税特別措置法第26条を活用しての開業は、開業方法だけでなく、少ない人数での運用方法も必要なので、先生の今までの働き方とは異なります。
コンパクトなテナントでの動線設計や、スタッフさん一人での運営などは、ほとんどの先生が初めて経験されることなので、ミニマム開業の内装設計にも知見のある開業コンサルタントのアドバイスに従って開業をすることが求められます。
ミニマム開業については、「【精神科の先生必見】精神科クリニックのミニマム開業を徹底解説」もご参照ください。
以上、精神科開業医の年収がいくらになるのか、売上高が1億円、8,000万円、5,000万円で試算しました。失敗しない経営をしながら、手取り収入を増やすベストな方法は、売上高を5,000万円以下に抑え、租税特別措置法第26条を利用することでした。
これから関東地区での精神科クリニックの開業をお考えの先生、租税特別措置法第26条を利用し手取り収入を大幅に増やせる開業をお考えの先生は、ぜひ実績多数の当社にご相談ください。
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先生からのご連絡をお待ちしています。



