開業予定の先生必見!クリニックの開業で経営難に陥らない事業計画の立て方とは?

クリニックの開業で経営難に陥らない事業計画の立て方とは?

これからクリニックを開業して、地域に愛されるクリニックをつくり、地域貢献を目指されている先生には、ぜひとも覚えておいてもらいたいことがあります。それは、いくら高い医療技術を持ち、患者さんから愛されるクリニックになったとしても、黒字化できるかどうかというのは、別の問題ということです。

クリニックの経営を黒字化して、地域に愛され続けるクリニックを続けられるのか、それとも赤字が続き経営難に陥って、資金繰りに苦労するクリニックになってしまうのかは、その分かれ道はどのような事業計画を立てるかにかかっています。

この記事では、開業後に経営難に陥らないようにし、地域に愛されるクリニックを開業するための事業計画の立て方を解説します。

将来的にクリニックを開業したいと考えている先生や、直近で事業計画を立てている先生は、このページの内容をぜひ参考にしてください。

事業計画とは?

事業計画とは?

事業計画とは、どの場所に、どのような診療科目で、どのくらいの規模のクリニックを開業させるのか、そのときの患者さんの来院数の推移はどうか、その収支はどうか、資金繰りはどうなるのか。そういったクリニックの経営に関することを予測したものです。それを書類にまとめたものを、事業計画書といいます。

事業計画を立てるための収支シミュレーションや事業計画書の内容については、「クリニック開業収支シミュレーションの内容と試算方法」をご参照ください。

患者さんの治療をするときに、先生の頭の中では、おおよその治療の流れや時間を考えて行うことと思います。クリニック経営では、「どれくらいの資金を借りて、どれくらい患者さんが来て、どれくらいの利益が出て・・・」ということを考えますが、頭の中で考えているだけでは、金融機関は融資をしてくれませんので、しっかりと予測を立てて、事業計画通りに経営をしていく事が必要です。

事業計画を立てても、実際に開業してみたら計画通りになるのかどうかは、クリニック開業コンサルタントでもそれを保証することはできません。しかし、知見が高く経験豊富なクリニック開業コンサルタントであれば、おおよそ想定通りの結果になります。

事業計画を立てる理由

事業計画を立てる理由

事業計画を立てる理由は、主に次の2つが挙げられます。

  1. 1.金融機関から開業資金や運転資金の融資を受けるため
  2. 2.クリニックを健全に経営するため

この2つの理由を含む事業計画を作成する必要がありますが、この2つの事業計画は全く違う意味合いを持っています。そこで、当社の開業支援では2種類の事業計画を立てるようにしています。

金融機関から開業資金や運転資金の融資を受けるための事業計画

クリニックを開業するための資金には、開業資金と運転資金があります。開業資金とは、テナントとの契約や内装工事、医療機器の購入、ホームページ制作、スタートアップのスタッフの求人などに使う資金です。運転資金とは、クリニックが黒字化するまでの毎月必要となる経費の支払いの穴埋めをする資金です。

それらの資金は、銀行などの金融機関から融資を受けることが基本です。そして、金融機関から融資を受けるためには、融資して良いかどうかの審査をするための事業計画書が必要となります。

クリニックの開業は、一般的な会社経営と比較すると融資を受けやすいのですが、いくら名医として知られている先生であっても、事業計画書が無くては、金融機関はお金を貸してくれません。何の計画も無しに「お金を貸してください」と言っても、「いくら貸してもらいたいのですか?」「その根拠は何ですか?」と訊ねられても答えられないでしょう。金融機関からすると、貸したお金は利息をつけて返してもらいたいので、「しっかりとした計画をもっている人に貸したい」と考えています。

融資を受けるためには、金融機関が融資をしたくなるような魅力的な事業計画を立てて、それを納得できる事業計画書に仕上げることが大切です。

クリニックを健全に経営するための事業計画

一方、クリニックの経営を健全に保つための指標となる事業計画は、融資を受けるための事業計画とは少し内容が異なります。融資を受けるためには、金融機関に魅力的に感じてもらえるような計画を立てますが、健全経営をするための事業計画というのは、患者さんが少ない人数しか来なくても黒字化できる、いわば手堅い事業計画のことを言います。

そのような手堅い事業計画でクリニック経営を開始すると、経営効率の高い健全なクリニック経営ができます。

健全な経営のための事業計画の立て方は、後ほどご説明します。

事業計画を立てるタイミング

事業計画を立てるタイミング

クリニックの開業を目指すときに、最初に行うことはクリニック開業コンサルタントに支援を依頼することです。その次に開業候補地を想定して、検討用の事業計画を立てます。検討用の事業計画で、借入金の目安や自己資金をどれくらい準備したらいいのか、開業後にどれくらいの年収を見込むことができるのかをシミュレーションします。

金融機関向けや実施計画用の正式な事業計画は、テナント物件の契約を前提としてから立てます。開業するテナント物件の契約金や家賃がいくらになるのかがわからないと、開業資金や運転資金の金額が決まらないからです。正式な事業計画書ができたら、それを持って金融機関に融資を依頼する事になります。

先ほど、「テナント物件の契約にかかる費用も含めて、金融機関の融資によって賄う」ということをご説明しました。ところが、テナント物件との契約を決めてから融資をお願いするわけですから、矛盾した説明をしていることになります。

そこで、テナント物件の契約にかかる費用は、先生の自己資金から一旦支払いをしておきます。そして融資が下りたら、その自己資金から支払った分を先生の手元に戻します。

その様なこともあり、開業を目指す先生は、テナント物件の契約ができるくらいの自己資金として、できれば1,000万円ほどは貯めておくことが大切です。1,000万円くらいあれば、立地条件の良い物件を見つけたらすぐに大家さんと契約ができるので、良い開業場所をタイミング良く確保でき、開業後の安定経営にもつながります。

立地条件の良し悪しの判断は、集患や家賃だけでなく、いろいろな判断基準があります。「クリニックの開業物件を探し確保する方法とは?」をご参照ください。

健全な経営のための事業計画の立て方

健全な経営のための事業計画の立て方

健全な経営のための事業計画の立て方のポイントは、「毎月支払う経費を抑えた計画を立てること」です。すると、患者さんの人数が少なかったとしても利益を出し、先生の給料も出て、借入金の返済もきちんとできるようになります。

事業計画を立てるための収支シミュレーション

事業計画を立てるときに、次のパラメータなどからクリニックの収支シミュレーションを行います。

  1. 1.自己資金
  2. 2.クリニックを開業する準備のための初期費用
  3. 3.借入金の金額と金利
  4. 4.毎月の患者さんの来院数と単価(自費と保険診療)
  5. 5.毎月かかる経費

これらの数字から、毎月の収支や借入金の返済などを10年間の表にします。

初期投資の費用を抑える

クリニックの開業でかかる初期投資の費用には、金額が大きなものは

  • テナントの契約
  • 内装工事
  • 医療機器

これらの費用をできるだけ抑えることができれば、借入金の金額が小さくなり、患者さんの人数が少なくても黒字化ができ、借入金の返済も楽に行えます。

ただし、費用の安さだけで考えることは危険です。なぜなら、「安物買いの銭失い」と言われるように、テナント物件を安さだけで選んでしまって、患者さんがほとんど来ない立地のテナントを選んでしまうこともあります。また、内装工事を安く抑えることばかり考えて、後で使い勝手の悪いレイアウトになったり、必要な配線配管なども省かれてしまって、クリニックが満足に機能しなくなってしまったりすることもあるからです。

設備投資の考え方は、抑えるべきところは抑え、開業後の集患や効率の高さを考えて、費用をかけるべきところはかけることが大切です。これは当たり前のことですが、その選択が難しいので、詳細はコンサルティングの中でアドバイスいたします。

開業後のクリニックを維持するための費用(固定費)を抑える

開業後のクリニックを維持するための費用(固定費)を抑える

開業後のクリニックを維持するための費用は、テナント家賃や人件費など、患者さんの診察数に関わらず、毎月固定でかかる費用のことです。この費用のことを、固定費といいます。

固定費を低く抑えた事業計画で開業すると、損益分岐点が下がり、患者さんの人数が少なくても黒字化しやすくなります。損益分岐点の計算方法は、「クリニックを開業する時の損益分岐点の計算方法と低リスク経営」をご参照ください。

さて、主な固定費は、

  • テナント家賃
  • スタッフさんの人件費

この2つです。他にも、電気代や水道代、電話やインターネット広告の費用などもありますが、テナント家賃とスタッフさんの人件費が固定費の大きな割合を占めます。

テナント家賃は、初期投資の費用でも説明したように、もっとも優先すべきは家賃の安さではなく集患ができることです。経営難の根本は、患者さんがあまり来ないことが原因ですから、ここを間違わないように注意してください。

人件費は、常勤スタッフさんの人数が多ければ多いほど高くなります。そこでパート勤務のスタッフさんだけでオペレーションできるクリニックを実現することです。そのポイントは

  • 診療時間を、10時から16時の間を中心に設定すること
  • 予約制にして、スタッフの業務量を一定に保つこと

クリニックで働きたいと思う人がいても、18時以降まで残業が続く職場が多いので、お子さんを保育園に預けて働きたいというニーズに合いません。そこで、診療時間を10時から16時の間を中心に設定することで、子育て中のスタッフさんでも働きやすい勤務時間を設定する事ができます。すると、パート勤務のスタッフさんだけで業務を行う事ができて人件費を抑える事が可能になります。

また、予約制を中心にして診療する事で、来院患者数のばらつきをなくしてスタッフさんの業務量を一定に保つ事が可能になります。

直来の患者さんが主体の場合は、その日の天候などにもよって患者さんが多かったり少なかったりします。すると、スタッフさんの配置を来院患者数のピークに合わせると、患者さんが少なくて暇な時にはスタッフさんを遊ばせてしまい、人件費に大きなロスが生まれてしまいます。

クリニックを予約制にして、業務量を一定に保つ事で、常に適正な人員配置を実現する事が可能になり、人件費のロスをなくして効率的な経営が実現できます。

運転資金は余裕をもって準備する

運転資金は余裕をもって準備する

運転資金とは、クリニック開業当初の赤字を埋め合わせる資金です。クリニックを開業しても、いきなり初月から黒字になることは、ほとんどありません。クリニックの認知度の高まりに合わせて、少しずつ患者さんの数が増えていき、黒字化するようになります。

当社の開業支援実績では、赤字の期間は普通は半年ほどですが、長い場合には1年くらいは赤字が続くこともあります。その間の赤字は、あらかじめ用意しておいた運転資金で賄います。この運転資金は、借入金で賄いますが、念のため余裕を持って借りておくことが大切です。なぜなら、運転資金がなくなってしまったらクリニックが倒産してしまうからです。

先ほど、テナント契約は自己資金を使って行い、融資が下りたらかかった費用を先生の手元に戻すことをお伝えしました。その自己資金を戻したときには使ってしまうのではなく、これも念のための“へそくり”として手元に置いておいてください。万一、運転資金が足りなくなりそうになった場合に、金融機関に追加の融資をお願いしても、事業計画に問題があったと判断されて、追加の融資を得ることは大変に難しくなります。そのときに、自己資金が使えたら、経営難に陥ることを防ぐことができます。

以上、クリニックの開業で経営難に陥らない事業計画の立て方を解説しました。安定経営のポイントは、テナント契約では契約の費用や家賃の安さではなく集患を優先することと、初期費用はメリハリをつけて必要な部分に不足のない様に投資をして、できるだけ開業後の固定費が安くなる様に計画することです。また、運転資金は余裕をもって準備しておいてください。

ときどき、先生が一人で収支シミュレーションをして事業計画を立てることを試みる方がいらっしゃいますが、ほぼ不可能だと思います。事業計画を立てられたとしても、その事業計画の内容で融資が得られるか、安定経営につながるものなのかの経営判断も必要となります。そのため、経験の豊富なクリニック開業コンサルタントに相談することをおすすめします。

当社では、関東圏での開業を考えている先生に向けて、無料で収支シミュレーションを行っています。これから開業を考えている先生だけでなく、他のクリニック開業コンサルタントに依頼して作ってもらった事業計画書の内容が正しいものか見てもらいたい先生のご相談も承ります。

収支シミュレーションのご依頼は、オンライン開催の開業セミナー&個別相談会(無料)にお申込みください。

先生からのご連絡をお待ちしています。

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