クリニックの開業費用の目安は?開業方法で大きく変わる開業費用
開業費用とは?

クリニックを開業するための費用のことを、開業費用といいます。開業費用とは、クリニックの開業や運営維持を目的とする費用のことです。開業準備費ともいいます。開業資金とは、開業資金として使う「お金(元手)」のことです。
開業費用には、大きく2つの費用がかかります。
- 1.設備投資のための費用
- 2.運転資金
設備投資のための費用
設備投資のための費用とは、クリニックを開業するまでにかかる費用のことです。例えば、
- テナントを借りるための費用
- 内装工事のための費用
- 医療機器や電子カルテなどを導入するための費用
- 消耗品などを購入するための費用
- 広告宣伝費
- スタッフを雇うための費用
こういった費用がかかります。
運転資金
運転資金とは、開業後にクリニックの経営が安定するまでにかかるランニングコストを負担するために準備しておく資金です。例えば、
- テナント家賃
- 人件費
- 水道光熱費
- 広告費やインターネットなどの利用費用
これらのランニングコストは、安定経営ができているクリニックであれば、患者さんを診療して得られる診療報酬から賄います。ところが、クリニックを開業してすぐに患者さんがたくさん来院することはありませんので、開業当初はこれらのランニングコストを運転資金から賄います。
クリニックを開業してすぐに経営難に陥るようなクリニックは、運転資金を十分に準備していないことがほとんどです。運転資金をどれくらい準備しておくと適正なのかは、開業場所の環境や診療科目などによって大きく異なります。こうした資金の準備は、開業コンサルタントの知見と、事業計画の立案能力の見せ所でもあります。
AIが教えてくれる開業資金を鵜呑みにするのは危険

クリニックを開業するためには、多くの資金が必要になります。その資金は、銀行などの金融機関から調達したり、自分で貯めておいたお金を使ったりします。
開業を目指している先生は、「どれくらいの金額が必要となるのか?」「どれくらいの金額が適正なのか?」ということが気になると思います。
AIで開業資金の目安を調べると?
クリニックの開業費用の目安は、ブログ記事によって異なります。AIで開業資金の目安を調べても、
例えば、GoogleのAIで一般内科の開業資金を調べると、「テナント開業で5,000万円~8,000万円、戸建て開業(新築)で1億~1億5,000万円程度」と表示されました。このように金額の幅が広くてあいまいです。
この内容を見ると、開業コンサルタントが立ててくれた事業計画と比較して、この金額の範囲内であれば安心する先生も多いと思います。「戸建てを建てて開業できるのか。だったら、資産になるから戸建てにしよう」と思う先生もいるかもしれません。
開業コンサルタントに事業計画を立ててもらったときの開業費用が7,000万円だったとしましょう。AIで開業費用相場を調べてみると、「5,000万円~8,000万円の間だから安心だ」と判断すると思います。ところが、その安易な判断に落とし穴があります。
金額の上下差が1.5倍も!?
AIによると、開業資金の目安は、上下で1.5倍という大きな差があります。開業資金の目安は、次の内容で大きく異なります。
- 開業場所
- 事業規模
- 診療科目
そのため、「自院の事業計画に記載されている開業資金は適正金額なのだろうか?」と、セカンドオピニオン的に当社にご相談いただくことも多いです。
開業資金の目安は、ある一定の範囲だと安全というわけではなく、事業規模や開業場所の環境、診療科目などによって安全な金額が決まります。開業資金を見誤ると、クリニックの経営が難しくなります。場合によっては、クリニックを倒産させてしまい、数千万円という大きな負債を背負って勤務医に戻ることになります。
特に、外来医師多数区域にて開業を目指す場合は、競合クリニックが多いので、開業場所選びや事業計画策定は慎重に行うことが大切です。
以下、先生が開業費用の金額を見誤らないために、開業方法と開業資金の金額の関係を詳しく解説します。
クリニックの事業規模と開業費用の関係

クリニックの開業費用の金額は、クリニックの事業規模によります。当然ながら、事業規模が大きいと、小規模な開業と比較して、開業費用が2倍以上かかることもあります。
開業費用が多くかかればかかるほど、それだけリスクも大きくなります。なぜなら、事業規模の大きなクリニックは、たくさんの患者さんを診療しないといけませんし、常勤の医療事務や看護師を雇うことも必要となり、多くの費用がかかります。
また、たくさんの借金をして開業するため、失敗すると、その借金の返済額が難しくなるからです。
先生が「大きなクリニックにしたい」と思っていたとしても、競合の多い場所で患者さんの取り合いが想定される様な場所では、大きなクリニックを維持できません。規模に応じた市場というものを考慮する必要があります。
そのような理由から、クリニックの適正な規模や適正な開業費用が存在します。
「大きなクリニックを開業したい」という先生もいれば、「小さくても利益をたくさん生み出せるクリニックにしたい」という先生もいます。先生それぞれに夢と希望を抱いて開業するわけですから、「どちらが正解か?」は先生自身が答えを出す必要があります。大きな夢や希望を持ち、それを優先させる場合には、それを実現するために必要な準備をすることが大切です。
しかし、外来医師多数区域を代表するように、クリニックの数が増え、競合が増えている中で、大規模なクリニックの開業はリスクも高くなります。
その様な理由から、初めて開業する先生には、先ずは小規模な開業をして、医師優遇税制を活用した開業で、手取り収入を最大化した、リスクの低い開業をおすすめしています。
クリニックの開業方法の種類

クリニックの開業方法には、事業規模で大きく2種類に分かれます。
- 1.売上高1億円以上を目指す大規模なクリニック(一般的な開業方法)
- 2.売上高を5,000万円以下に抑えるミニマムなクリニック(ミニマム開業)
医師優遇税制の活用が分かれ目
これらの中間の規模を目指す方法もありますが、売上高5,000万円~1億円のクリニックでは、先生の手取り収入はグッと減ってしまいます。その理由は、ミニマム開業だと租税特別措置法第26条(特措法)という医師優遇税制を活用できるので、大幅な節税ができて、手取り収入を飛躍的に増やすことができるからです。
医師優遇税制の詳細は、「開業医の年収と手取りをシミュレーション!医師優遇税制で手取りを増やす」をご参照ください。
クリニックの売上高と先生の手取り収入の関係は、次の図のようになります。

医師優遇税制が活用できる条件は、個人事業主として税務申告することと、売上高が保険診療の合計が5,000万円、自費診療の合計が2,000万円以下の場合です。その合計が7,000万円です。一般的には、保険外診療を積極的に行うクリニックは少ないので、「保険診療の合計が5,000万円以下のとき」と覚えておいてください。
この売上高を超えてしまうと、医師優遇税制が活用できなくなるので、税金が多くかかるようになり、手取り収入が減ってしまいます。そして、医師優遇税制を活用したときの手取り収入を超えるためには、売上高8,000万円~1億円以上を目指すことになります。
ミニマム開業とは?
ミニマム開業とは、次の4つのミニマムを実現して、低リスクで先生の手取り収入を最大化する開業方法です。
- 1.スペースがミニマム
- 2.診療時間がミニマム
- 3.スタッフ数がミニマム
- 4.ランニングコストがミニマム
1つ目のスペースとはクリニックの広さのことです。スペースをミニマムにすると、テナント家賃が割安になり、ランニングコストが大幅に下がるので、黒字化しやすいクリニックになります。
2つ目の診療時間は、先生が働く時間を半分にできるというものです。売上高1億円と比べて、売上高5,000万円のクリニックは、先生が診療する時間を半分にできることを意味します。また、患者さんの診察時間を2倍にしても良いわけです。すると、患者さんから「あの先生は時間をかけてしっかり診てくださる」と良い口コミが地域に広がり、繁盛するクリニックになります。
スタッフ数を少なくすることも、ランニングコストを下げるためのポイントです。スタッフ数が少ないと、人件費が少なく済むだけでなく、スタッフ間のトラブルや採用の費用も少なくすることができて、先生は診療に集中しやすくなります。スペースがミニマムであれば、少ないスタッフ数でも運営ができます。このようにして、ランニングコストを大幅に下げ、医師優遇税制を活用して、低リスク・ハイリターンのクリニックになり、資金繰りに困ることの少ない地域に根差したクリニックに成ることができます。
ミニマム開業の詳細は、「クリニックをミニマム開業してうまくいく条件とは?4つのミニマムを解説」をご参照ください。
ミニマム開業を選ぶ医師が増えている理由
売上高5,000万円と売上高1億円で手取り収入が同じになるわけですが、売上高1億円の場合は、先生が診療をする患者数は2倍になります。また、売上高1億円を目指す場合には、多くのスタッフさんを採用したりマネジメントしたりする必要もあるため、さらに忙しく働くことになります。
さらに、開業当初から売上高1億円を目指す規模のクリニックを開業しようとするため、開業費用も多くかかり、借入金の返済に追われて、「何のために開業したのか?」と悩んでしまう先生も多いと聞きます。売上高1億円に達するまでに、開業してから4~5年以上かかることもあり、その間は経営が安定しなくて手取り収入も少ないという時期が続くからです。
売上高が増えて年収が5,000万円を突破してくると、税理士さんから節税のために医療法人成りをする様に勧められますが、いろいろな手続きや手間も増えてきます。
それに対してミニマム開業ですと、小規模な開業ですから開業費用が低く抑えられています。借入金も少なく、ランニングコストがミニマムなので黒字化しやすいといったことから、先生が診療に集中しやすい開業スタイルになります。
ミニマム開業で安定した経営を実現して、将来の事業規模拡大に向けて、患者さんを確保しながら、資金を貯めておくこともできます。患者さんがゼロから売上高1億円を目指すのではなく、ミニマム開業で最初のクリニックを成功させて、患者さんを確保しながら、資金をさらに貯めておいて、次の段階としての事業拡大を目指す事も可能です。
その様に、初めから売上高1億円を目指さないで、低リスクで多くの手取り収入が得られるミニマム開業を選ぶ先生も増えています。
クリニックの規模と開業費用の目安
一般的な開業方法とミニマム開業での開業費用の目安は、次の表の通りです。
この目安は、東京23区やその周辺都市で、テナントを借りて開業をするときの目安です。大阪や京都、神戸、福岡などの外来医師多数区域でも、おおよそ同等の金額になると思います。
| 診療科目 | 一般的な開業方法 | ミニマム開業 |
|---|---|---|
| 小児科 | 8,000万円~1億円 | 8,000万円 |
| 産婦人科 | 1億円~1億2,000万円 | 9,000万円 |
| 精神科 | 6,000万円~7,000万円 | 5,500万円 |
| 皮膚科 | 6,000万円~8,000万円 | 5,500万円 |
| 耳鼻咽喉科 | 8,000万円~1億円 | 8,000万円 |
| 一般内科 | 8,000万円~1億円 | 8,000万円 |
| 循環器内科 | 9,000万円~1億2,000万円 | 9,000万円 |
| 消化器内科 | 9,000万円~1億2,000万円 | 9,000万円 |
| 糖尿病内科 | 9,000万円~1億3,000万円 | 9,000万円 |
| 眼科 | 1億5,000万円~2億円(手術対応) | 9,000万円 |
| 整形外科 | 1億5,000万円~2億円 | 1億円 |
この金額は、設備投資の費用と運転資金を足した金額です。開業コンサルタントに策定してもらった事業計画をご覧ください。そこに記載されている開業費用が、これらの金額から1,000万円以上多い場合には要注意です。また、運転資金の目安ですが、
- 一般的な開業方法では2,000~3,000万円
- ミニマム開業では1,000~2,000万円
この金額よりも低い場合には、資金繰りに気をつけた方が良いと思います。
運転資金は多いに越したことはありません。なぜなら、経営が安定してきたら繰越返済をする資金にも成るからです。それまで手元に置いておく間は多少の利子の支払いがありますが、それは安全のための保険と考えた方がリスクが少ない経営ができます。
リスクの高い開業費用の目安

開業コンサルタントに事業計画を立ててもらったときに、リスクが高く成る開業費用の目安は、次の通りです。
- 開業費用の目安よりも1,000万円以上高い金額の場合
- 運転資金が目安よりも低い金額の場合
もし、開業費用が目安よりも多い場合であったとしても、相対的に運転資金が多く設定されている場合は、開業後の経営も考えて計画している開業コンサルタントだと言えます。
また、次のようにアドバイスをしてくる開業コンサルタントには要注意です。関係している企業への利益誘導を目的としている可能性が高いです。
- 「運転資金は少し余裕があるので、その資金で医療機器を購入して、独自性を出した方が良いです」
- 「戸建て開業をすると、その戸建てが資産になり、子どもに資産を残すことができます」
運転資金を医療機器の費用に回す危険性
クリニックが倒産する理由は、運転資金がゼロになったときです。なぜなら、運転資金がゼロになると、テナント家賃や人件費などの支払いができなくなるので、クリニックが維持できなくなるからです。
そのため、クリニックの知名度が上がり患者さんが多く来院してくれて安定経営に至るまでは、十分な運転資金を手元に持っておいた方が安全です。その運転資金を、まだ患者さんがゼロの段階で医療機器の追加購入など別の用途に使ってしまうことは危険です。
また、他院には無い医療機器を導入したとしても、それが集患につながるのは、しっかりとPRができて、地域の人たちに受け入れられたときです。そうした事は、実際には開業してみないとわかりません。そうした医療機器の導入は、開業後に経営が安定してから必要性を検討しても良いと思います。
戸建て開業の危険性
クリニックの経営が成り立つためには、患者さんが多く来院してくれて、利益が損益分岐点を超えることです。
損益分岐点とは、先生が診療をこなして、黒字になる分岐点です。リスクの低い開業とは、損益分岐点が低いクリニックです。反対にリスクの高い開業とは、損益分岐点の高いクリニックです。損益分岐点が高いと、それだけ多くの患者さんに来院してもらい、多くの診療をこなさないと黒字にならないことを意味します。
損益分岐点の低い開業とは、これまで解説してきたミニマム開業です。ランニングコストを低く抑え、できるだけ借入金も低くして開業することがポイントでした。そして、もう一つのポイントがあります。それは、
多くの患者さんに来院してもらえる場所で開業すること
多くの患者さんに来院してもらえる場所と言うのは、駅前や人通りが多い繁華街などです。そのような場所でミニマム開業をするためには、テナント開業でないとできません。
戸建て開業は、自宅と併用になることが多いので、住宅地などの比較的静かな場所で開業する事が多くなります。そのため、住居としての環境が良く成る程、患者さんが来院しにくい場所になってしまうので、繁華街などで開業している競合クリニックに、患者さんを取られてしまう結果となります。
そもそも資産というのは、必要な時に現金化できる流動性のある財産を指します。自宅併設のクリニックの場合は、売って仕舞えば住居もクリニックも無くなってしまいますので、クリニックを廃業して自宅を引越しする事になってしまいますので、現実問題として売るに売れない借金付きの固定資産となってしまいます。
そうしたことから当社では、集患しやすい場所でのテナント開業で、低リスクで手取り収入を大幅に増やすことができるミニマム開業をお勧めしています。
オクスアイのミニマム開業支援
最後にオクスアイのミニマム開業支援をご紹介します。オクスアイの強みは、
- 一般的な開業とミニマム開業の両方の支援が可能
- ミニマム開業で、外来医師多数区域でも低リスク開業の支援が可能
- 長年の経営者としての経験を踏まえた実践的なコンサルティング
- 他社の技術に頼ることなく、自社で最後まで一貫したコンサルティング
- 内装設計にも強みあり(ミニマム開業に適した内装設計・施工に対応)
- 開業後も、経営が軌道に乗るまで無料でアフターフォロー
低リスクで手取り収入を最大化する開業方法、ミニマム開業に精通し、実績多数です。開業後も、クリニック経営が黒字化し、軌道に乗るまで無料でアフターフォローいたします。
経営が軌道に乗った後でも、ご相談ごとがあればコンサルティングは無料で行っています。
オクスアイがお役に立てる医師
オクスアイは、次のような医師にお役に立ちます。
- 低リスクで開業したい医師
- 開業に対する不安が大きい医師
- 開業した方が良いかどうか悩んでいる医師
- 開業したいが何をしたら良いかわからない医師
- 開業に関する専門的な知見を求める医師
- 利益を上げやすい開業をしたい医師
- 子育てをしながら開業したい女医
- 定年後にご自身の居場所を作りたい医師
オクスアイがお役に立つことが難しい医師
オクスアイがお役に立てないパターンは、次のような医師です。
- 東京やその周辺ではない場所での開業(弊社から遠いエリアでの開業)
- 美容整形外科クリニックやAGAなどのオンライン診療で開業したい医師
- クリニックのチェーン展開をしたい医師
- 売上高やご自身の収入だけを優先したい医師
- 既に開業して、経営難に陥っている医師
高リスクの開業や、当社で一貫した支援ができない場合、既に開業済みの場合には、当社では支援をご遠慮させて頂いております。
東京やその周辺都市で開業をお考えの医師は、まずオクスアイの無料相談をご利用ください。


