クリニックが新規開院するときの集患方法とは?

クリニックが新規開院するときの集患方法とは?

病院勤務をされていた先生が独立開業を検討され、クリニックを開院しようとするときに、もっとも気になることは、集患ではないでしょうか?

クリニックを開業しても、集患がうまくいかずに黒字にすることができなくて、倒産していくクリニックも少なからずあります。倒産しなくても、資金繰りで苦労される先生も多いと思います。

開業したい場合には、まず開業医をされている先輩医師にご相談されることと思います。そのときに「開業医は大変だ」とか「経営はなかなかうまくいかない」と、ネガティブなアドバイスをされることも多いことと思います。

開業で失敗しないための大切なポイントは集患です。集患がうまくいけば、黒字化して安定経営ができます。先生の気持ちも安定して、患者さんにも丁寧な良い診療ができることと思います。

当社がクリニック開業支援をさせていただいたクリニックは、先生の努力もあり、すべてのクリニックで黒字経営ができています。その実績から、どういった集患方法が良いのか、何をしたら集患がしやすいのかをご説明いたします。

これからクリニックの開業を目指される先生や、開業で失敗しない支援をしてくれるコンサルタントをお探しの先生は、ぜひ当社にご相談ください。

立地条件の良さでの集患

立地条件の良さでの集患

集患に最も影響があるのはクリニックの立地条件です。立地条件の良い物件では、もちろん集患がしやすくなります。

立地条件の良い場所とは、人通りが多い便利な場所のことです。クリニックをご利用いただく方は、駅を利用したり、商店街を通ったりします。また、子どもクリニックの開業をしたいという場合には、子どもたちが利用する幼稚園や公園などの近くもおすすめです。そういった人通りが多い場所を探すことが基本となります。

「立地条件の良い場所は、坪単価が高くなるので、家賃が上がってしまい、経営上のリスクとなるのでは?」とお考えの先生もいらっしゃいます。もちろんそのような考えもあります。

クリニックには、競合する医院があると思います。都内の場合であれば、精神科クリニックにとっては激戦地です。山手線の駅前には、何件もの精神科クリニックが存在しますから、患者さんの取り合いになっています。そのような激戦地であるにもかかわらず、なぜクリニックが新たに開業しようとするのでしょうか?

それは、集患のキャパシティーがあるからです。山手線の駅前という場所では、働いている人が多いので精神的に悩んでいる人も多いと思います。そのような人が多く集まる場所は、やはり集患がしやすいのです。

クリニックは同じ診療科目であれば、保険診療であれば同じような診療内容になりますが、そのことはコンビニと似ているところがあります。コンビニは、大手3社がありますが、販売されているものは大体にかよっていますし、店舗での店員さんの対応も基本的には同じようなものです。とは言え、店舗による売上の違いは大きな差が出てきます。その違いは人通りの多い場所で営業しているかどうかという立地条件の違いです。コンビニもクリニックも売り上げを上げる基本は立地条件の良い場所に開業しているかどうかということです。

わかりやすいクリニックの看板での集患

わかりやすいクリニックの看板での集患

クリニックの集患は基本的にわかりやすい看板を出すことで成功につながります。立地条件の良い場所で開業をしても、看板が目立たないと集患ができない場合があります。

例えば、「まほろばクリニック」という名称のクリニックを開業したとしましょう。クリニックの前やビルには、クリニック名が書かれた看板を設置すると思います。その看板には、どういったことを記載すべきでしょうか?

もし、看板に「まほろばクリニック」とだけ書かれていたらどうでしょうか。患者さんからすると、「何を専門の診療科目としているのか判らない」ということで、利用しにくいと思います。少なくとも、「メンタルクリニック」とか、「こころのクリニック」という具合に、精神科を専門としているという事がわかるような文言をクリニックの名称に入れるようにしてください。

また、都内には、いろいろな専門性の高い診療科目のクリニックが数多くあります。内科クリニックだけですとそれらのクリニックと差別化が出来ないので、集患がしにくいという傾向があります。

例えば、「内科まほろばクリニック」という科目だけでは都内の場合にはあまり集患が期待できませんから、できれば専門の診療科目がわかるような名称にすることも集患には効果的です。例えば、「甲状腺内科・糖尿病内科・循環器内科・リウマチ内科・アレルギー内科」などを名称に加えることによって、専門性の高い診療をしていることがわかるようにするという具合です。

内覧会での集患

内覧会での集患

内覧会は、クリニックや先生に対する良い印象を持ってもらうための、大切なイベントになります。

クリニックの集患のためのプロモーションとして、近隣にチラシを配布して内覧会のお知らせを広告することは有効な手段となります。地方でイベントや変化の少ない場所であれば多くの人が見学に集まって来るでしょうが、都心ではクリニックの開院は珍しいしことでもありませんので、新規開院のクリニックを是非見学に行きたいという人は、それほど多くはならないでしょう。

内覧会にくる見学者の多くは、今まで遠くの病院に通院していた人たちで、近所でも診察を受けられることを便利に思って様子を見にきてくれる方達です。近隣に既に同じ専門科目のクリニックがなければ多くの方に関心を持っていただけることもできますが、一般内科などのようにすでに同じ専門科目のクリニックが多くある地域では、わざわざ内覧会に行こうという人は少なくなります。

従来の内覧会は、院内の内装や医療機器を見ていただき、院長先生に医療相談をするというのが一般的でしたが、それだけではなかなか効果的なプロモーションにはつながりません。

例えば、小児科はもちろん、皮膚科・耳鼻科など子供さんの来院が多い診療科目の場合には、ゲームやバルーン、シャボン玉などの楽しげなイベントを取り入れることが集客に効果的です。また、クリニックの玄関に多くの風船などを飾り付けすることで、遠くからでも良く目立つようになるので、内覧会の集客にも有効です。

こうしたイベントやクリニックを目立たせる工夫をすることで、開院を広告するチラシもより多くの効果を上げることができます。

内覧会のチラシ配布は、クリニックの診療圏エリア内に配布します。配布の方法は新聞折込とポスティングがあります。

内覧会の開催日はクリニックの開院直前の日曜日が良いタイミングとなります。そのために、内覧会の一週間前の日曜日に、開院チラシの1回目の新聞折込をします。チラシの新聞折込の2回目は内覧会の前日の土曜日に行います。さらにその間の水曜日くらいに近隣エリアへのチラシのポスティングを行います。

同じ地域に3回チラシの配布を行うことで、クリニックの開院と内覧会のイベントをより印象に残すことができますので、効果的な集客を実現することができます。

同時に、クリニックの玄関や正面に「開院のお知らせや、内覧会のご案内」などを掲示しておくことも効果があります。

内覧会はクリニックと院長先生のご紹介、新規開院時の集患に効果的なイベントですので、充実した内容を企画することが大切です。

勤務先で診ていた患者さんを集患

勤務先で診ていた患者さんを集患

大きな病院にお勤めの先生が独立をお考えのときに、先ず考えて頂きたいことは、今病院で先生が主治医として診療を担当されている患者さんを引き連れて開業できるかということです。

一般的な企業で独立開業するときは、それまでのお客様を引き連れて独立することは、企業の経営者が暖簾分けという形で開業を支援する場合以外は禁止となっていますが、病院の場合は事情が違ってきます。病診連携を進めている公的な病院の場合には、外来患者を積極的に受け入れてくれる地域のクリニックを歓迎しています。

そのほかにも院長が雇われて働いている、社会福祉法人などの準公的病院の場合も病診連携に積極的な病院が多くあります。

ところが院長が経営者である医療法人などの場合には、そこで診ている患者さんを連れて開業しようとすると、営業妨害外に当たるとして大きなトラブルになる場合がありますので、よく注意しなくてはなりません。

もし病診連携を進めている病院から患者さんを引き連れて開業することができたら、開業と同時に黒字化が可能になる場合もあります。クリニックの安定経営ではとても大切な考え方と言えます。

患者さんを引き連れて開業する場合は、勤務医の病院の近くで開業するだけでなく円満退職ができるように、最後まで一生懸命に患者さんに向き合って働くことをおすすめします。

ホームページによる集患

ホームページによる集患

最近の患者さんの多くは、クリニックを探す場合にもネット検索を活用しています。ホームページでクリニックが自分に合ったクリニックかどうか、口コミなども予め調べて、クリニックを予約します。最近は予約システムを導入してホームページから予約できるクリニックも増えてきました。

ホームページでの集患を効果的にするには、SEO対策が必要です。SEO対策とは、ネット検索で先生が経営するクリニックのホームページを上位ヒットさせる技術です。クリニックのホームページをSEO対策する場合には、患者さんが検索するキーワードとして重要な、地域名や駅名と診療科目や得意とする病気の症状などを組み合わせてSEO対策をなさってください。

例えば、「神保町 心療内科 不眠」という具合です。

間違った例としては、「まほろばクリニック」などといったクリニック名でのSEO対策です。クリニック名でネット検索したら、SEO対策していなくても上位ヒットするものですから、わざわざ費用をかけてSEO対策する必要がありません。

ただし、ペインクリニックやスポーツ整形外科・糖尿病内科や甲状腺内科などといった、専門性の高い診療科目をクリニック名に入れている場合には、クリニック名も含めてSEO対策を行うことで診療圏を広げて多くの患者さんに来院してもらうことをお考えください。

Google地図の登録

Google地図の登録

スマホをお持ちの方は、Google地図をよくご利用すると思います。目的の場所を探したり、集合場所を調べたりするのに便利です。もちろん、患者さんもGoogle地図でクリニックの存在を知ることが多いです。

Google地図の登録では、クリニック名や科目名、1週間の診療時間を登録しておくだけで良いと思います。

また、Google地図には口コミが書かれることがよくあります。その対応も丁寧に行ってください。星マークが1つだけの場合であっても、丁寧に返答することで、反対に信頼が上がる場合もあります。

それから、クリニックを開業したら、「Google地図の上位表示でMEOというサービスを行っています」と営業の電話やメールが沢山きますが、MEOは費用対効果が合いませんし詐欺まがいの営業が多いですから、「興味ありません」とすべて断っていただくことが賢明です。

SNSでの集患

SNSでの集患

SNSには、FacebookやInstagramなどがあります。当社が開業支援させていただいたクリニックでは美容皮膚科を標榜するクリニックで、InstagramやYouTube動画を投稿して、自費患者さんの集患に成功されている先生もいらっしゃいます。

ただし、SNSは毎日のように投稿することで集患の効果が出るので、SNSにご興味のある先生に限った方が良いと思います。そして、集患が実感できるようになるまでには、毎日投稿して半年から1年、それ以上かかる場合もありますので、他の方法で集患ができるのであれば、SNSは最初から行わない方が良いと思います。

新規開院時のチラシ配布

新規開院時のチラシ配布

クリニックが新規開院した場合、開院後の継続的な集患にはホームページが効果的です。ただし、ホームページは患者さんが自分からネット検索しないとクリニックを知ることが出来ません。

特にクリニックの固定客とも言える高齢者の場合には、年齢が高くなるに連れてネット検索するということが少なくなってきます。高齢者になると多くの場合慢性的な疾患を抱えていますので、遠くの病院にかかっていることで通院に負担を感じている場合もあるでしょう。そのような場合には、近くに新規開院したクリニックをお知らせする手段として、開院チラシの新聞折込やボスティングを行うことが効果的です。

チラシの場合には、そのまま保管しておくこともできるので、しばらく時間が経ってから受診される患者さんもいます。特に心療内科などの場合には、受診することを決めるまでに相当な時間がかかる場合もありますので、新規開院したクリニックの告知の効果を長い期間にわたって期待することもできるでしょう。

口コミによる集患

口コミによる集患

最後に口コミによる集患についてご説明いたします。口コミとは、先生のクリニックに来てくださった方が、「この先生は良い先生だ」ということを感じて、Googleのサイトやご近所の人に口コミしてくださり、それを聞いた人が来院してくださるという集患の流れです。

口コミで良い印象を与えるポイントは、先ずは丁寧な診療が第一です。先生から丁寧に診療されたら、その患者さんはリピートしやすくなりますし、受付の職員さんや看護師さんの対応とクリニックの内装の感じの良さなども口コミで広げてくれる患者さんもいます。

患者さんの立場に立ち、患者さんのお話しを良く聞いて、丁寧な診療を行ってください。

以上、クリニックを新規開院するときの集患方法について、ご説明いたしました。細かく言えば、他にも色々な方法があると思いますが、全体的に網羅できたと思います。

これらの集患方法の中でどの方法が良いのか、弊社がランキングするならば、次のようになります。

    1.勤務先で診ていた患者さんを集患
    2.立地条件の良さでの集患
    3.わかりやすいクリニックの看板での集患
    4.口コミによる集患
    5.ホームページによる集患
    6.Google地図の登録
    7.内覧会での集患
    8.新規開院時のチラシ配布
    9.SNSでの集患

当社は、クリニック開業コンサルティングを通じて、上記のような集患についても効果的なサポートをしております。

クリニックの開業は、先生お一人ではほぼ不可能ですので、コンサルタントにサポートを依頼することになります。そのときに、立地条件の良さの判断や、各種集患方法にも知識や経験が豊富なコンサルタントを選ぶことで、失敗しない安定した経営のクリニックを開業できます。

集患にも強いクリニック開業支援なら、オクスアイ医療事業開発までお気軽にご相談ください。

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