シングルマザーの女医が開業して子育てと経営を両立させる方法

病院勤務の女医さんの中には、離婚をされてお一人で子育てをしないといけない状況になった先生もいらっしゃることでしょう。
子育ての内容は、お子さんの年齢によっても異なりますが、大変であることには間違いありません。
お子さんの将来のことを考えると、できれば医師としてのキャリアだけでなく、子育てにも専念したいところですが、病院勤務であることがネックになることが多いです。
実際のところ、子育てのために育休が取れる病院というものは、自治体や大学などが経営する大きな病院であることが多く、そうでない病院はまだまだ育休が取りにくい環境だと思います。
そういった中で、シングルマザーの女医さんが医師としてのキャリアを維持しつつ、子育てにも専念ができる方法として、「勤務医を辞めて開業医となる方法」があります。
この記事では、子育てのために自由に休みが取れるだけでなく、経営リスクが低く、先生の手取り収入を増やしてお子さんの進学のための貯金もできる開業方法、「ミニマム開業」をご紹介します。
「子育てをしたいけれども、仕事を休むことができなくて困っている」というシングルマザーの先生は、ぜひ当社までご相談ください。
シングルマザーの女医は仕事と子育ての両立が難しい
医師は収入が多いので離婚しやすい傾向がある

女性医師が少なかった時代は、結婚相手として同じ医師を選ぶ傾向が多かったようです。最近では女性医師が増えたこともあって、一般の会社務めの方と結婚する女医さんも多くなってきました。こうした場合に、奥様である女医さんの方が収入が圧倒的に多くなる場合があるので、一般家庭のように家事の負担が奥様に多くかかってくると、仕事と家事の両立が難しくなってきます。
そのようなときに、子育てに理解のある旦那さんが主夫をしてくださる場合には、奥様が仕事に専念できるので結婚生活もうまくいきやすい場合が多いようです。
ところが、男性が家事を分担しないで、子育てや家事までも奥様に依存した生活を続けていると、当然結婚生活も長続きしなくなってきます。世間では良くある話なのですが、専業主婦の場合には離婚した後の経済的な生活不安を考えると自立ができず、従属した生活を続けることが多くなります。
ところが、勤務医の女医さんの場合にはお給料が高いので、離婚しても十分に生活ができることから、「無理に我慢した生活を続ける必要もない」という判断が出来ます。
女医さんのお仕事は結婚してからもハードな状態が続いていくと、いつの間にかご夫婦の間に亀裂が入っていくのかもしれません。
病院勤めでの子育ての現状

離婚してしまったら、シングルマザーとして病院勤めを続けていても、子育てを先生お一人で行わないといけない場合があります。学校行事や学校からの呼び出しなどの対応をしないといけませんから、仕事を休まないといけません。近所にご両親が住んでいたらお願いすることもできますが、毎回というわけにもきません。
ところが、病院勤務であれば緊急の呼び出しがあったり、どうしても休めない時もあったりするので、仕事と子育ての両立が難しくなります。
そのようなことで、女医のお母さんが病院勤務をしていると、「子どもが一人で過ごす時間が多くなる」という方も少なからずいらっしゃいます。母親としても、お子さんが一人で家にいると心配なことでしょう。
医師のキャリアをあきらめる方もいる

そういったことで、「子育てに専念したい」と考えるシングルマザーの女医さんの中には、病院勤務と子育ての両立が難しくなり、医師としてのキャリアをあきらめる方もいらっしゃいます。
せっかく難関の医学部を卒業して医師免許を取得し、キャリアを創ってきたわけですが、「子育てを優先したい」という親心から医師のキャリアをあきらめることになってしまうと、もったいない話でもあります。
もしかしたら「数年くらい子育てに専念して、子どもが中学生になったら医師に戻る」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現実は厳しいものです。
子育てができる開業のご提案
そこで、シングルマザーの先生に、「子育てと医師としてのキャリアを両立できる方法」をご提案したいと思います。それは、子育てのために自由に休めて、高い収入も期待できるクリニックを開業する方法です。
「開業」と聞くと、いろいろと疑問が出てくることと思います。ここでは、開業したら本当に子育てと両立ができるのか、開業のリスクはどうなのか、経営に不慣れな医師がクリニック経営ができるのか、手取り収入は維持できるのかなどをご説明いたします。
開業して子育てと両立ができるのか?

開業をお考えの先生は、誰かに相談されることと思います。そして、多くの先生は、すでに開業をされた先輩の先生に相談されることと思います。先輩の先生からよくあるアドバイスは、「子育てと両立なんて甘い考えでは、開業は止めておいた方が良い」ということです。
そのようにアドバイスする先輩の医師は、近所に同じ診療科目のクリニックが開業し、患者さんの取り合いをして、苦労して経営をしている場合もあります。その中で、「自由に休めるクリニックを開業したい」というものですから、先輩として開業が厳しいことをアドバイスするのでしょう。
しかし、開業コンサルタントからアドバイスさせていただきますと、そのように「開業は厳しい」とアドバイスされる先輩は、あえて厳しい経営の仕方を強いられる開業方法を選んでしまったからです。そのような開業方法とは対照的に、子育てをして、自由に休みを取りながらも、黒字経営をして先生の手取り収入を増やせる開業方法があるのです。
その方法が、多くの医師が知らない開業方法、「ミニマム開業」なのです。ミニマム開業については、後ほどご紹介します。
クリニック開業は経営リスクがあるのでは?

もちろん開業をすると経営のリスクはあります。クリニックの倒産件数は、「2024年は64件と、過去20年間で最多を記録した」と東京商工リサーチのニュース(2024年の医療機関の倒産が過去20年で最多 クリニック、歯科医院が押し上げ、病院も3.5倍増)で掲載されていました。
クリニックが倒産する理由は、必要な利益が出ないことです。利益は、入ってくるお金(売上高)と出ていくお金(費用)の差額です。利益が出なくて赤字になり、手持ちの資金がゼロ円になって、家賃や人件費などの支払いができなくなったら倒産です。
ここで多くの先生が気にされることは、「売上が十分に得られるか?」ということだと思います。従来の考え方ですと、経営のリスクを減らすために利益を上げようとすれば、売上高を多くしなければいけません。売上高を多くするということは、先生がたくさんの患者さんを診るために長時間働く必要がありますので、子育てをお考えの先生からすると本末転倒です。
ところが、子育てをしやすくするために開業する場合には、発想の転換が必要になります。つまり、「売上高が低くても利益が得られる仕組みを作れるか?」という考えです。この考えに基づいて開業する方法が、ミニマム開業なのです。
ミニマム開業について少しだけ触れておきますと、先生は子育ての時間を作るためになるべくクリニックの診療時間を短くしたいわけですから、どうしても売上高が下がってしまいます。そのような状態であっても黒字にするためには、出ていくお金を極力少なくすることが必要です。売上高が低くても黒字になる仕組みを作ることで、低リスクな開業を実現することが出来ます。
経営なんて経験したことがないので心配です

開業医になろうとする先生は、誰もが経営者になる事は初めての経験です。ですから、自信を持ってクリニックの経営ができるという先生は、ほとんどいらっしゃいません。そういった先生でも経営ができるようになるのには、実際にクリニックを開業して、「このような感じでやればいいのだな」という経営の感覚をつかんでいただくことが必要です。
そうした感覚をつかむまでは、初めてのことばかりですから心労も多くなりがちです。そうしたときに頼りになるのが、信頼できる経験豊富な相談相手です。
当社の開業コンサルティングでは、開業前はもちろんのこと、開業後でも何でもご相談を承っています。診療以外のすべてのことが初めてで経営に関する心配事の多い先生であっても、一つずつ相談しながらクリニック経営に慣れていくことができます。
今の手取り収入を維持できますか?

最後に心配なのが「今の手取り収入を維持できるのか?」ということです。経営はやってみなければわからない部分もありますが、きちんとした手順を踏んでリスク管理のしっかりした開業をすれば、今よりも多くの手取り収入が得られる様になります。
子育てのための時間をしっかり取りながら今まで以上の手取り収入が維持できるかと言うことを検証するためには、そうした事業構想を数字で検証するための、事業計画のシミュレーションをして具体的な方向性を確認してみる必要があります。そういったシミュレーションは当社にて無料で行っていますので、お気軽にご相談ください。
先ほどからご説明しているミニマム開業を実現した場合には、診療科目によってかかる経費が異なるので一概には言えませんが、手取り収入が2,000~3,000万円くらいの先生が多いです。
これほどの手取り収入を得るためには、一般的な開業方法であれば年間の売上高を1億円ちかく売り上げないといけません。1億円となると、本当に毎日長時間働くようなイメージです。
ところが、ミニマム開業では、年間の売上高を5,000万円以下にすることを基本とします。すると、開業医だけに認められた特別な税制である「租税特別措置法」が利用でき、税金の多くが免除されます。その優遇税制を活用すると、免除された税金分が先生の手取り収入となるので、年収を増やすことができるわけです。そのように税金を免除された収入を貯金する事で、お子さんの将来に備えることができます。
当社の開業コンサルティングでは、いつまでにどの程度の貯金を蓄えられるのかといったご相談にも対応しています。
子育てとクリニック開業を両立させる方法

ミニマム開業によって、子育てとクリニック開業を両立させる方法をご説明します。
ミニマム開業のすすめ
ミニマム開業とは売上高を5,000万円以下に抑え、経費を最小限にして、先生の手取り収入を最大限増やす開業方法です。先生は、長時間働く必要はなく、売上高を5,000万円以下に抑えることを基本としますから、子育ての時間をしっかりと取りたい先生に最適な開業方法と言えます。
ミニマム開業で手取り収入を増やすための考え方は、「低い売上高でも黒字化できて、手取り収入を増やす」というものですから、経営リスクも低くなるというメリットもあります。
「クリニックを休んでしまったら、患者さんが来なくなるのでは?」と考える先生もいらっしゃるかもしれませんが、予約制にする事で問題は解決できます。
開業場所は子育てしやすい場所を選ぶ
安定した経営を実現できるための立地条件は、基本的に人通りの多い場所で開業をすることです。そして、出来ればお子さんの学校の帰り道の途中にあるテナントで開業できれば、お子さんが学校からの帰宅時にクリニックに立ち寄ることもできます。
そうすると、クリニックの診療が終わるまで院内で宿題などをして待っていてもらい、お子さんといっしょに自宅に帰ることができます。
クリニックが終わったら、自転車や徒歩でお子さんといっしょに帰りながら、夕飯のお買い物などをして帰っても良いと思います。
狭くても院長室をつくると子育てしやすい
クリニックを開業するときには、テナント物件を決めてから内装工事の設計をします。内装工事の設計をするときに、診療室の横に小さな院長室を併設することをおすすめします。そして、診療室と院長室の間には、院長室を覗けるように小窓を設置しておきます。
すると、診療の合間に宿題をしているお子さんの姿をチラッと見ることができるので、安心して診療に打ち込むことができます。
院長室は、先生のプライベートな空間ともなりますので、なにかと重宝する事でしょう。
ミニマム開業で手取り収入を増やすポイント

最期に、ミニマム開業で手取り収入を増やすポイントをご紹介したいと思います。このポイントをすべて抑えておくことで、低リスクなミニマム開業が実現できることになります。
ミニマム開業に最適な立地条件を選ぶ
始めに開業場所についてです。開業場所として集患がしやすい所は、一般的には駅前や繁華街などの人通りが多い場所です。そういった場所は、患者さんがクリニックに通いやすいので、人通りの少ない場所と比べると、集患がしやすくなります。
しかし、人通りが多い場所にあるテナントは、賃料の坪単価も高くなります。テナント料が高くなると、経営リスクが高くなりますから、一見すると矛盾しているようにも感じます。そこで、「坪単価は高い場所であっても、坪数の小さなテナントを借りることで家賃の総額を抑えること」が大切です。すると、集患がしやすくテナント料を割安な金額に抑えることができるので、リスクの低い開業ができるわけです。
スタッフはできるだけ少なく
クリニックの支出でもっとも大きな金額になるのが人件費です。クリニックの規模が大きくなるとそれだけスタッフさんをたくさん雇う必要がありますが、ミニマム開業では出来る限りスタッフさんの人数を少なくする方法を考えます。診療科目によっては、看護師さんをスタッフとして雇う必要もありますが、できれば、「受付も看護師さんもパート勤務のできるスタッフさんだけで運営できる方法を考えること」が大切です。
ミニマム開業では時にスタッフさんが急にお休みして勤務できない場合もあります。先生が患者さんの受付や医療機器の操作、採血など何でも行えるようにしておけば、スタッフに急な休みが有っても診療を続けることが出来るので、人件費の増大を抑えることが出来て経営リスクを下げることができます。
高額な医療機器は最小限に
「高額な医療機器があれば集患がしやすいのではないか?」と考える先生もいますが、ミニマム開業ではできるだけ経費を掛けないことを基本としますから、開業当初の医療機器も必要最小限にすることが望ましいです。
医療機器の購入が最小限であれば、借入金も少なくできるので、それだけ経営のリスクが下がります。
高額な医療機器の購入は、開業後に必要性が明確になってから検討すれば良いのです。
ミニマム開業の支援実績豊富なコンサルタントに依頼すること
従来型の開業スタイルではさまざまな経営リスクがありますが、ミニマム開業ではそのようなリスクをすべて回避していき、開業後2~3ヶ月で黒字化することも夢ではありません。そのためミニマム開業では入念な事業計画が大切になります。
ミニマム開業の支援実績豊富なコンサルタントに依頼することは、子育てができる低リスクなクリニックを開業し、安定した経営を実現するためには一番大切なことです。
弊社では、たくさんの先生方の開業をサポートしてきて、ミニマム開業の支援実績は、東京都内では随一であることを自負しております。
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