皮膚科クリニックは儲からない?皮膚科クリニック黒字化のポイント

皮膚科クリニックは儲からない?皮膚科クリニック黒字化のポイント

皮膚科クリニックを開業しようとしている先生が、先輩の開業医に相談すると、「皮膚科クリニックは儲からないから、開業は止めた方が良い」と言われること多いようです。

クリニック開業コンサルタントの私からしても、一般的な開業方法では、皮膚科クリニックの開業は、止めておいた方が良いと思います。ただし、それは「一般的な開業方法」のことです。

この記事では、これから「皮膚科クリニックを開業したい」とお考えの医師に向けて、皮膚科クリニックが儲からない理由や、それを克服して黒字化するためのポイントを解説いたします。クリニック経営の基礎知識にもなるので、開業前の先生は、ぜひ最後までご覧ください。

また、都内で皮膚科医を開業しようとしている先生で、「しっかりとした事業計画を立ててくれて、実績のあるコンサルタントに依頼したい」という方は、ぜひ当社までご相談ください。

なぜ皮膚科クリニックが儲かりにくいと言われているのか?

なぜ皮膚科クリニックが儲かりにくいと言われているのか?

まず、なぜ皮膚科クリニックが儲かりにくいと言われているのか、他の診療科目のクリニックと比較してご説明いたします。

診療報酬が低いから

皮膚科クリニックは、診療報酬が低いために、「儲かりにくい」とされています。皮膚科の外来診療の単価は、患者さん1人当たり2,000円~3,000円程度と低いです。

クリニックの売上高は、次の式となります。

売上高 = 患者さん一人当たりの診療報酬 × 人数

小児科も低いと言われていますが、それでも患者さん1人当たり4,000円くらいですから、小児科クリニックと比べて1.5倍から2倍ほどの患者数で、同じ金額になります。

通い続けてくれる患者さんが少ないから

クリニックの売上高は、診療単価と人数の掛け算ですが、人数は新患さんとリピートの再診患者さんがいます。

皮膚科クリニックで患者さんが受診してくれるパターンは、皮膚に湿疹ができたときや、火傷をしたときなどですから、その患者さんも、場合によっては1回限りが多く、引き続き通院してくださったとしても2~3回ほどで完治する場合が多くて、継続的に来院しないことが多いです。

糖尿病内科や循環器・心療内科などのように、治療期間が長くて治るのに時間がかかる科目であれば、何度も通院してくださり、同じ人を何度も診療するので、それだけ売上高も経営も安定します。

治療のスパンが短いと新患さんに沢山来てもらわなくてはなりません。慢性疾患でリピートの患者さんが多いクリニックとでは、経営の安定度には雲泥の差があります。新患さんに来続けてもらうには、立地条件の良い場所でなくてはなりませんから、家賃も高くなるので、経営には不利になります。

皮膚科で診療単価を高め通い続けてくれる患者さんを増やす方法

皮膚科で診療単価を高め通い続けてくれる患者さんを増やす方法

皮膚科クリニックの開業をご検討されている先生は、上記のようなことを聞いて、がっかりされたかもしれません。しかし、診療単価を高め、通い続けてくれる患者さんを増やす方法があるので、事業計画を立てるときに、次のことをご検討ください。

集患がしやすい開業場所を選ぶ

1つ目は、開業場所を適切に選ぶことです。その場所とは、もちろん集患がしやすい場所のことです。

皮膚科クリニックは、診療単価が低いので、「なるべく家賃の安いテナントを借りたい」とか、「自宅で開業したい」という先生もいらっしゃいます。そういった場所ででも、しっかりと集患ができるのであれば問題はありませんが、私の経験上、家賃の安いところは集患が難しい場所がほとんどです。

集患がしやすい場所と言えば、駅前などの繁華街です。人通りが多い場所は、それだけ皮膚疾患を患っている人の人数も多くなります。駅前などの立ち寄りやすい場所で開業すれば、職場や学校の帰宅時にクリニックに寄ってくださる患者さんも多いので、集患がしやすいです。

診療科目を増やす

次に、「皮膚科クリニック」という名目だけでなく、関連する診療科目も取り入れることです。皮膚科クリニックと相性の良い診療科目として例えば、アレルギー科です。看板に「皮膚科クリニック」と銘打つのではなく、「皮膚科・アレルギー科クリニック」と掲げることで、皮膚のトラブルだけでなく、アレルギーに関するトラブルも診てもらえるということで、患者さんの数を増やすことができます。

他にも、「小児皮膚科」という科目を入れておけば、小さな子供を持つ親御さんの目にも止まります。

そのようにして、皮膚科だけでなくアレルギー科、小児皮膚科といった科目を掲載しておくと、患者さんの来院機会を増やすことができ、安定経営につながりやすいです。

美容皮膚科を取り入れる

皮膚科クリニックでは、患者さん一人当たりの診療報酬の低さも、経営が厳しい原因の一つでした。そこで、美容皮膚科を取り入れて、自費診療を増やしていくことで、診療報酬を増やすことができます。

当社にて開業支援をさせていただいた皮膚科クリニックで、レーザー治療を含めた美容関係の自費診療を取り入れ、SNSでPRして売り上げを増加した先生もいらっしゃいます。

少ない患者数でも黒字化でき手取りを増やせるクリニック

少ない患者数でも黒字化でき手取りを増やせるクリニック

これまでは、患者さんの数や診療単価を増やす方法をご説明いたしましたが、次に患者さんの数が少なくても、黒字化できるクリニック経営の方法をご説明します。

経費をできるだけ使わないミニマム開業の検討を

皮膚科クリニックを経営して、最終的な利益が黒字になるのか、赤字になるのかは、売上高と経費のバランスによります。利益がプラスであれば黒字、反対にマイナスであれば赤字です。利益は、次の式になります。

利益 = 売上高 - 経費

売上高を増やす方法は、患者さんの人数を増やし、診療単価を高めることでした。そして、経費を減らしても利益が増えるので、「できるだけ経費を低く抑える方法」もご検討ください。

クリニックでかかる経費は、変動費と固定費の2種類に分類され、次の式となります。

経費 = 変動費 + 固定費

変動費とは、患者さんを診療したときにかかる経費のことです。例えば、血液検査の費用です。患者さんの血液検査した場合、その費用に利益を上乗せした金額が保険請求として計上されますので、こうした売上につながる変動費を抑えるわけにはいきません。抑えるべき経費は、固定費です。

固定費とは、患者さんの人数に関係なく固定された経費のことです。例えば、家賃や人件費、水道光熱費といったものです。患者さんの数が多ければ、それだけスタッフさんを多く雇わないといけませんから、「人件費は変動費に入るのではないか?」と思われる先生もいらっしゃるかもしれませんが、人件費は固定費になります。変動費と固定費の仕訳は、売上に直接関係する費用かどうかで分かれます。

固定費として、大きな割合を占める費用は、次の2つです。

  • 家賃
  • 人件費

これらの費用をできるだけ安く抑え、ミニマムなクリニックを開業させる方法のことを、ミニマム開業といいます。

家賃を低く抑える方法

家賃を低く抑える方法

家賃を低く抑える方法は、家賃の安いテナントを借りることです。

ところが、ここで注意いただきたいことがあります。それは、「家賃の安さだけでテナントを選ぶと、集患に苦労しやすい」ということです。

テナントの家賃が高いところは、駅前などの繁華街です。そういった場所は、集患がしやすいだけに、人気が高いので、家賃も高くなりがちです。反対に家賃が安い場所は、人通りが少なく閑散としているところです。コンサルタントから「皮膚科クリニックは、売上が少ないから、家賃の安いところで開業すべきだ」と、間違ったアドバイスをもらって開業した先生は、集患が難しくてお悩みのことと思います。

さて、人通りが多く集患しやすい場所で、できるだけ家賃の安いテナントを借りると良いわけですが、そのお勧めの方法とは、床面積の小さいテナントを借りることです。

家賃は、次の式で表されます。

家賃 = 坪単価 × 床面積

つまり、人通りが多く集患しやすい場所は、家賃が高いのではなく坪単価が高いのですが、坪単価が高い場所でも、床面積の小さい物件を選ぶことで、家賃の総額を下げることができます。

人件費を低く抑える方法

人件費を低く抑える方法

人件費を低く抑える方法は、人を雇わないようにすることですが、そのためには看護師さんを雇わずに、何でも先生ができるようにすることです。例えば、医療機器の操作や採血といったことを、先生ご自身ができるようになれば、そのための専門職である看護師さんを雇う必要がなくなり、人件費を低く抑えることができます。

また、医療機器は最初からいろいろな機器を導入しないで、必要最小限のものからスタートすることもおすすめします。クリニックを運営している中で、必要性を感じた医療機器があれば、そのときに導入を検討すれば良いのです。

医療機器の数が少なければ、それだけテナントの坪数を少なくできますし、医療機器の操作を覚える手間も軽減されるので、専門の看護師さんを雇う必要もなくなります。開業当初は、床面積の小さなクリニックを借り、最低限、受付の職員さんと先生がいたらクリニックの運営ができるような体制にしておくことが理想です。

もし患者さんがたくさん来院してくれるようなクリニックになり、ミニマム開業をしたテナントが手狭になったら、近所で広いテナントに引っ越しをしても良いと思います。

医師優遇税制の活用で先生の手取り収入を増やす

医師優遇税制の活用で先生の手取り収入を増やす

ミニマム開業を目指される先生に、ぜひとも知っておいていただきたいことが、医師優遇税制です。クリニックを法人ではなく個人で開業され、保険の診療報酬が1年間で5,000万円以下、保険外の診療報酬が2,000万円以下であれば、売上の7割程度の概算経費が適用されて、その差額分を手取り収入にでき、税金も安くなるので、先生の手取り収入を大幅に増やすことができます。

例えば、1年間の売上高が5,000万円のクリニックであれば、先生の手取り収入を2,500万円~3,000万円にすることも可能です。

皮膚科クリニックの開業をお考えの先生で、クリニック開業コンサルタントをお探しなら、皮膚科クリニックを黒字化する方法だけでなく、医師優遇税制についても知見のあるコンサルタントをお選びください。

医師優遇税制については、「特措法とは?クリニック経営する医師だけに認められたお得な税制」をご参照ください。

以上、皮膚科クリニックが儲からない理由や、黒字化をするためのポイントをご説明いたしました。

まとめると、患者さんの人数を増やし、診療単価も上げることを検討しつつ、少ない患者さんの人数でも利益が出やすいミニマム開業を選ぶことです。開業準備では、クリニックの事業計画を立てますが、そのときにミニマム開業で手堅く始め、認知されて患者さんの数が増えていってから経営を拡大していくことも可能です。

最期に、オクスアイの開業コンサルティングをご紹介させてください。

オクスアイでは、東京23区をはじめ、その周辺都市での開業をお考えの先生に、開業専門でコンサルティングを行っている会社です。皮膚科クリニックをどこに開業したら良いのか。実績に基づいた事業計画の立て方や資金計画のシミュレーションといったご支援から、内装工事、開業手続き、内覧会など、開業に関わるすべてのことをアドバイスいたします。

まずは、無料のクリニック開業セミナーにお申込みください。皮膚科クリニックを黒字経営するための方法のご説明や、先生の手取り収入がどれくらいになるのかのシミュレーションも無料で行っています。

先生からのご連絡をお待ちしております。

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