開業医の人生設計医院開業や医院経営、クリニック開業の支援ならオクスアイ

2012年2月23日
クリニック開業の心構え

開業の準備を進めている方、まだ具体的な計画がまとまっていない方、様々だと思いますが、今回は開業医として、そして一人の人間としての生き方について考えてみたいと思います。

オクスアイも設立して25年目を迎えています。
医師の開業がまだ少なかった時代からスタートし、今では東京では開業医が増え競争も激しくなっている時代です。

時代の移り変わりの激しさに驚くと同時に、「開業」という人生の転機を一緒に過ごすことができた喜びは、今までもそしてこれからも私達にとってかけがえのない財産です。

今年最後のメルマガは、最近ご相談に来られたA先生(60代)のエピソードも交え、開業医の人生設計についてお話ししたいと思います。

雇われ院長を続けるか、クリニック経営者になるかの選択

A先生とお会いするきっかけになったのは、弊社のホームページを御覧頂いてお電話を受けたのがきっかけでした。

A先生は、あるクリニックで院長として勤務されていました。
いわゆる「雇われ院長」です。

当初、5年間の契約で勤務をしていましたが、契約の更新の時期になって、オーナー側からクリニックを買わないかとの相談があったとのことでした。

患者さんは1日に150~200人訪れ、スタッフも10人以上いる規模の大きいクリニックです。

先生は経営にタッチしていないので、実際の経営の実態が分からない状況ではありますが、状況からして黒字ではないかとのことでした。

オーナーからクリニックを引き継ぐ、継承開業についてアドバイスを聞きにいらっしゃったのでした。

年代別の開業医の人生プラン

このお話について、「率直に言ってやめたほうがいい」とアドバイスさせていただきました。

一般的に、開業医としての人生を年代別に分けると以下のようになります。

40代:開業して、借入金を返済していく
50代:借金の返済も終わり、自分の財産を築いていく
60代:子供は独立してお金がかからなくなり、今までに築いたスキルで仕事を続けていく
70代:仕事を趣味で行い、人生を楽しんで暮らすハッピーリタイヤへ

40代に開業したとして、開業医として積極的に仕事が出来る期間は、およそ20年程度と考えてもらった方がよいでしょう。

60代になってくると体力が弱ります。それでも定期的に運動などをしていれば体力の維持はできますし、ぼけるにはまだ早すぎます。

しかし70才を過ぎると体が弱ってきます。これは人間としての機能が弱くなるという避けられない事実です。

70才を過ぎると、誰でも思わぬミスを起こすようになります。
この先は、どうしたら上手く仕舞いにすることが出来るか、その準備を考え始める頃です。

年齢とリスクを考えた判断

若い時期に開業すれば、多少のミスが有っても、それが良い学習となりますが60才を過ぎてからの失敗は、取り返しの付かない状況になりかねません。

経営者としての経験がないのに、日々クリニックで起こる些細な問題やトラブルの解決を全部自分がやらなければならないとなった時、60才を過ぎてからはその負担は非常に重く感じられてきます。

日常の業務を誰かに任すこともできるかもしれませんが、任せた仕事の内容を自分がチェックできない様であると、経営のリスクはかなり高くなります。

またA先生に「なぜ経営者になりたいのですか?」と聞いてみると、「収入を増やして、子供にも財産を残したいから。」とおっしゃいました。

A先生が今から医院経営をするようになると、これまで法人が行っていた経営管理を全てご自分でやらなくてはならなくなりますので、体力も気力も持たなくなり、収入が増えるよりも減る可能性が高くなります。

収入を増やしたいなら休みの日にアルバイトをしてもいいですし、勤務先で給料のベースアップの交渉をしたほうが良いと思います。

例えば今後一生懸命に仕事に取り組み、診療報酬が上がった分を給料に上乗せ出来るようにしてもらうといった交渉の余地もあると思います。

それでも開業をしたかったら、70才を過ぎてから借金をしないで、自宅を改装してご夫婦2人でやるか、ボランティアのような形でお金に関係なく、開業をしたらどうかということも提案しました。

少なくとも、60才を過ぎてから子供に財産を残したいなどとは考えずに、今後の人生についてもう一度考えてもらうようにお話ししました。

数が増えると貶められる

何かのエッセイにこんなことが書いてありました。

「数が増えると貶められる」

数が増えると、今まで特権階級であったものが、そうではなくなるということです。

医院開業について言うと、競合が増えると、従来の延長で続けようとしても先細りになってしまうということでしょうか。

開業医が少ない時代は昔の話で、現在、都内ではどの科目も飽和状態です。

10、20年後を考えると、もっと状況は厳しくなる可能性もあります。

希少価値を感じさせる有効な集患方法を考えないと、廃業せざるを得ない医院が増えていくことでしょう。

勤務医も同じように、年を取ってくれば活躍できる場所も限られてくる様になります。

スペシャリストを目指したり、外国に行くなど、医師としての生き方には様々な選択肢があります。

先生方も今一度、これからの人生設計を見直してみてはいかがでしょうか。

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