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失敗しないスタッフ募集の秘訣

2017年5月11日
クリニックの開業準備

クリニックを開業するためには、様々な準備を同時に行う必要があります。

物件探しから、資金の調達、クリニックのデザイン・内装工事、医療機器の選定、
必要書類の作成など、様々なことを並行して進めていきます。

勤務医時代には経験したことのない事ばかりで、戸惑うことが多いと思います。

その中でも大きなイベントの1つが、クリニックのスタッフ採用面接ではないでしょう
か。

ご自身お一人で全て行おうとする場合は別ですが、クリニックを運営するにあたり、
当然スタッフを雇う必要があります。

開業後、一緒にクリニックを繁栄させていくのですから、スタッフ選びはとても重要
です。
今回は、開業に際してのスタッフの募集についてお話しします。

クリニックの求人応募の実態

クリニックを開業するにあたり、一緒に働いてくれるスタッフの募集も並行して実施
しなくてはなりません。

クリニックの工事を行いながら同時にスタッフの求人広告を出し、応募者の面接をし
て、採用した方にはオープン前の準備段階からスタッフとして働いてもらいます。

まずは応募の状況からご説明します。

募集する職種は一般的には、受付・医療事務と看護師の2職種です。

受付・医療事務については、それなりに多くの応募が集まりますが、経験者・能力
のある方は少ないというのが実態です。

地域医療主体のクリニックであれば、新聞の折り込み広告などを利用して、近隣に
住んでいる方を募集するのが基本です。

一方、看護師は「売り手市場」の状態が続いています。

折り込み広告だけではなかなか応募が集まらないこともあるので、インターネットの
求人広告も利用して広い範囲から募集をかけます。

看護師の場合は、求める給料や勤務条件が高く、特に開業当初のクリニックにはなか
なか厳しいものがあります。
他のクリニックよりも条件が良くないと、まず応募してくることはありません。

看護師の採用が難しそうな場合は、その代わりとなる、受付兼看護助手などの募集
をする事も検討したほうが良いでしょう。

採用の形態には、パートと常勤があります。

パートとして働く方は子育てや長時間働けないなどの理由があり、時間に制限があ
るため、全てのスタッフをパートにするのはお勧めできません。

安定した仕事をするには、しっかりと仕事を任せられる常勤のスタッフが必要です。

そしてパートの方は、限られた時間の中で仕事をしてもらうのですから、経験豊富な
ベテランである必要があります。

一方常勤の方は、経験が少なくてもやる気があれば直ぐに仕事を覚えます。

医療事務などの資格を持っている方でも、現場経験がない場合は未経験と同じです。

現在は電子カルテの普及で、あまり医療事務の知識がない方でも受付業務に困るこ
とはありません。

未経験のスタッフであっても常勤ならば、クリニックで受付や診察の補助を毎日
経験させて行く事で1人前に育てていくことが出来ます。

そして、その経験の浅い常勤のスタッフを、ベテランのパートのスタッフが教育でき
るような環境をつくることも重要です。

応募者の面接で確認すべきポイント

応募の実態を踏まえたところで、実際の面接で何が必要になるのでしょうか?

一般的な流れとしては、応募者に履歴書を送ってもらい、書類選考を経た後に面接と
なります。

人を雇う時に、絶対に押さえておかなければならないことは次の3つです。

1、勤務時間
2、給料
3、休日

面接の時には、この3つを明確に説明しなければなりません。

雇用保険、労災保険などについては法律上加入の義務がありますが、社会保険に
関しては職員を5人以上採用した場合に加入の義務が生じます。

通常は、職員の方に国民年金・国民健康保険に自分で加入してもらうことになりま
すので、あらかじめ了解をとっておく必要があります。

おそらく受付・医療事務で募集してきた方々は問題ないと思いますが、看護師は
そのような条件を受け入れてくれないかもしれません。

人件費はクリニックの経費でも大きなウェイトを占めます。
開業当初は、経営が軌道に乗るまで、負担は少ないに越した事はありません。

そのためにも、経験は少なくても働く意欲のある方を優先して雇いつつ、経験者や
能力のある方については、どうしても必要な場合を除き、無理に採用する必要は
無いかも知れません。

開業後、クリニックの資金が十分に留保できた時に、改めて採用すれば良いと思い
ます。

また面接では、プライベートに関することも聞いておく必要があります。
シングルマザーかどうか、家族関係はどうか、人間関係は問題ないか・・・、など、
採用してからはなかなか聞きづらい事ですので、面接の時に遠慮なく聞いておくべき
です。

最終的には院長と気が合うか合わないか、ということも重要です。
開業された先生の中には、血液型を聞いて相性が合うかチェックしていた先生もいる
くらいです。

面接ではプライベートも含めできる限りいろいろな事を聞き、勤務条件を受け入れて
くれるかどうかをしっかり確認する事が重要です。

スタッフの福利厚生

では福利厚生についてはどうでしょうか?

労働基準法を遵守して、十分な福利厚生をスタッフに与えたいという考えは素晴らし
いのですが、実際はそれを完璧に守るのは難しいと言わざるを得ません。

例えば、有給休暇です。
被雇用者(スタッフ)の権利として、勤務して半年以降は、10日間の有給休暇が認めら
れ、以後毎年1日ずつ増えていきます。

これを厳密に守り、スタッフがそれぞれ都合の良い日に休暇をとるようになると、ク
リニックとしては運営が厳しくなります。

スタッフが休んでいるからといって、患者さんの来院数が減ることはありません。

スタッフに与える休暇は個人の都合ではなく、クリニックの都合に合わせないと
雇用する職員の数を増やさざるを得なくなり、人件費が増加していきます。

常勤職員への有給休暇の与え方としては、お盆と正月の院長先生の休暇に合わせて
職員に休暇を与えることが現実的です。

それに加えて先生の学会出張などで休診となれば、その日も休暇となりますので、
それなりの休暇日数は確保できますから、あまり不満が出る事もないと思います。

但し、自分の都合で休暇を取りたいというと言う日もありますので、その様な日を
何日かルールとして決めておくと言う事も必要です。

先生方の中には、勤務先の病院に有給休暇の規則が有っても、あまり利用した事が
無いという方もいるかもしれません。

上司からの評価に影響が出ることも否定できないですし、他の同僚に迷惑がかかる
という配慮もあるかもしれません。

でも、それと同じような事をクリニックのスタッフにも期待してはいけません。

有給休暇をとるのは雇用されている職員の権利です。
職員の都合で、休暇を取られても文句は言えないのです。

スタッフの休暇により、患者さんへのサービスの質や仕事のスピードを落とすことは
できません。
クリニックの経営者としては、クリニックを円滑に運営することを第一に考えるべき
なのです。

労働基準法をないがしろにするわけではありませんが、クリニック運営の実態を
踏まえて、誰もが納得できる職場環境をつくることが重要になってきます。

解雇が必要な場合は、早めに

面接でいくら好印象であっても、そのスタッフが本当に良い人材であるかどうかは、
実際に働いてもらうまではわかりません。

採用したスタッフが、思ったように働いてくれなかったり、場合によってはトラブル
を起こしてしまったりすることもあるかもしれません。

そのようなスタッフはおそらくどこでも同じようなトラブルを起こしているはずです。
運悪くそのようなスタッフが居ることが発覚した場合は、すぐに解雇したほうが良い
でしょう。

トラブルメーカーはどこでも同じような問題を起こしている場合が多いので、院長
を困らせる方法をよく心得ています。

その様な人がいると、他のスタッフにも悪い影響を及ぼすだけでなく、クリニック
に大きなダメージを与えられてしまう可能性もあります。

労働基準法では、試用期間中の2週間以内であれば、無条件で雇用契約の取り消しが
できます。

それ以降であれば、解雇する1ヶ月前に通知するか、1ヶ月分の給料を支払って即時
辞めてもらうという方法があります。

もし問題のあるスタッフがいれば、すぐに辞めてもらうことが必要です。
クリニックのためには経営者として躊躇することなく、決断することが求められます。

まずはお気軽にご相談ください。お電話でのお問い合わせは03-3233-8669

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