クリニックを継承開業した場合の注意点は何か?

クリニックを継承開業した場合の注意点は何か?

クリニック経営の悩み相談Q&A

公開日:
最終更新日:

まず、継承開業には2つのパーターンがある事を知って下さい。

1. 盛業中のクリニックが突然売りに出される場合の継承開業

1つはブランドも確立して地域の信頼も厚く盛業中のクリニックが突然売りに出される場合です。これは、院長先生自身が急病でクリニックを手放さざるを得なくなった場合です。

経営的には何の問題も無く安定していますので、こうした場合には内装もスタッフも、極力現状のまま診療を継承する事が肝心です。院長先生の治療のために継承を急いでいるものの、安定した売上げを上げている状況であれば、クリニックの売却希望額もそれなりの金額になると思いますが、継承のリスクは少なくてすぐに安定した経営にする事が出来るので、継承に必要な資金調達を急ぐ事が肝心です。

この様な継承の代表的な例として、院長先生が検診を受けた際に癌が見つかり早期に入院治療を受けなくてはならなくなった場合です。こうした場合にはクリニックの引き継ぎまでに多少の時間的な余裕が残りますので、スムースな継承が可能となります。

ただ、院長先生が突然の脳梗塞などで入院したり、大動脈解離などの突然死する様な事態が起こった場合などは診療が停止してしまいます。この様な場合には、診療に空白の期間が生まれますので、スムースな継承開業の実現は難しいと言えます。

2. 院長先生が高齢となって引退を希望する場合の継承開業

もう1つの継承開業のパターンは、院長先生が高齢となって引退を希望する場合の継承開業です。これには、クリニックを第三者に継承する場合と、親御さんからご子息にクリニックを継承する親子継承の場合が有ります。

いずれの場合にも、長年クリニックを経営してきたことで、施設自体は老朽化している場合が多いです。

また、院長先生ご自身が新患を取る意欲を無くして、患者さんを減らしてきたことで経営的にもギリギリのクリニックが多いのが実情です。

ただ、立地次第では若くて意欲的なドクターが継承開業する事で、近隣住民のニーズに会うことの出来る魅力的なクリニックを開院することが出来ます。その場合に一番注意しなくてはならない事は、以前のイメージを残さないで全く新しいクリニックを創ることです。

内装工事はもちろん全面的なリノベーションが必要です。スタッフも若い人材に入替て、医療機器も最新のものに入れ替えて、同じ場所に全く新たなクリニックを創ることで、新しい患者さんに来ていただくことが出来て、経営を安定させていくことが可能となります。