医師にパート勤務を依頼するときの雇用で注意すべき点とは?

医師にパート勤務を依頼するときの雇用で注意すべき点とは?

クリニック経営の悩み相談Q&A

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医師のパート勤務の場合でも、他の職員と同様に労働契約書を取り交わし、有る程度の区切りを決めて雇用契約を結んだ方がよいと考えられます。

一般的には1年単位(12ヶ月間)での雇用契約として、満了後に更新と言う形態を取るとよろしいと思います。

新規開業して1年目は、毎日のように新しいことに触れて何が何だか分からないままに、新規の患者さんがまた来院して頂ける様に、無我夢中で毎日の仕事をこなしていくことで精一杯になりがちです。

開業2年目に入ると仕事にも慣れてきて、患者さんの増加と共に少しずつ黒字も増えて一安心できる様になります。

開業3年目に入ると登録している患者さんの数も増えて、患者さんの母集団が増えたことで毎日来院する患者さんの数も安定して、経営的にも安定期に入ってきます。これは、目安として新患登録が3,000件を超すと安定した状態に入ってきます。

この様な状況を過ぎると、クリニックのブランドが地域で確立されてきますので、その後も徐々に患者さんが増えてきて、やがて院長1人ではオーバーワークの状況となってきます。

そのままドクター1人で診療を続けていくと疲弊してしまい、過労とストレスで病気になってしまう場合もあります。これでは何のために開業したのか分かりません。

開業が先ず一定の成果を得て成功したと考えられる時点に来たら、次は、その成功を継続させていく事が大切です。その為に、院長は本来の経営者となって、院長の片腕となって診療してくれる非常勤のドクターを確保する事が求められます。

ところがこれが大変難しい事は言うまでもありません。

院長ご自身が都心の私立大学医学部の出身であれば、医局とのつながりを含めて、先輩後輩という同窓のご縁から非常勤の医師を紹介していただくことが出来ると思います。その場合、医学部の同窓の関係などから、おかしな勤務はしない真面目なドクターに出会える可能性が高いと思います。

一方で、地方の国立大学などのご出身の院長先生の場合には、身近にその様なネットワークが見つからない場合が多く有ります。その場合に非常勤の医師を雇用しようとすると、高額の紹介料を払って医師の紹介会社に頼ることになります。そうした場合、もちろん真面目な良い先生もいますが、中にはとんでもない人を紹介されることもあります。

紹介会社の役割は、非常勤医師の勤務する時間と給与の取り決めを雇用契約で明示するだけで、働き方に関しての基準は主観的な物ですので、実際に働いてみるまではどんな診療をするのか分かりません。

院長先生やスタッフが一生懸命にクリニックのブランドを確立しても、やる気の無い医師を雇用したためにクリニックの評判をおとしめる事も多く有ります。また、売上げに対する歩合給を支給する場合にも注意が必要です。

必要の無い検査や処置を乱発して、見かけの売上げを上げたとしてもレセプトの返戻で返金することになったり、患者さんからも評判も悪くなる場合が有りますのでご注意下さい。