自宅用の時計やパソコンなどの購入費は開業資金に計上できるか?

自宅用の時計やパソコンなどの購入費は開業資金に計上できるか?

クリニック開業資金の悩み相談Q&A

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自宅用の時計やパソコンなどの購入費は開業資金に計上できるか?

クリニックの開業資金に関するよくあるご質問で、購入したものを開業資金に計上できるかどうか聞かれることがあります。できるだけ多くの費用が開業の経費として認められると、節税ができるからです。

例えば、自宅用として時計やパソコンを購入したときに、「領収書を取っておけば、その費用をクリニックの開業経費として計上できるか?」というものです。ドクターによっては、腕時計やお皿などの購入費も、経費に計上したいとお考えの方もいらっしゃることでしょう。

このように、たくさんの資金が調達できて気が緩み、「すこしぐらいなら自宅用の備品を購入しても良いだろう」と考えてしまう人がいます。

クリニックを新規開業するときに経費として認められるものはどういったものなのか、ご説明いたします。

開業の経費として認められるものとは?

開業の経費として認められるものとは?

開業の経費となる支出は、直接開業に要した物品の購入費だけです。

例えば、クリニックを開業するために購入したパソコンであれば経費として認められます。もちろん、ドクターが使用する腕時計でも、労働時間を管理したり、心拍数を簡易的に調べたりするために使用するのであれば、経費として認められます。また、クリニックで使用するお皿も経費として認められます。

クリニック開業前に、そういったものを購入して準備するわけですが、クリニックを開業するために必要なものは経費として認められます。

しかし、そういったものをクリニックで使用しないでご自宅で使用する場合には、税法上経費とはなりません。

また、腕時計にしても、「時間管理や心拍数を簡易的に見るため」という名目であれば、高級時計でなくてもそういった業務ができるので、常識を逸脱するような値段の高い腕時計は、経費として認められにくいことでしょう。クリニックに飾る絵画も同様です。

クリニックの開業を決めた後に自宅用として備品等を購入した場合

自宅用として備品等を購入した場合

では、クリニックを開業しようと決めた後に、自宅用として時計やパソコンなどの備品等を購入した場合、その費用は経費として認められるでしょうか?

「パソコン購入の領収書をもらっていたら、経費として認められるかもしれない」とお考えになられるかもしれません。

しかし、この場合も自宅用として備品等を購入したのであれば、経費として認められません。クリニックの開業資金を使って、自宅用の備品等を購入した場合には、それは実のところ横領になります。

クリニックを開業し、軌道に乗せることができたら収入が増えるので、それまで節制することも、クリニック開業で成功するために大事なことです。

開業前に購入した備品等の費用が経費として認められるパターン

費用が経費として認められるパターンは?

開業前に購入したパソコンの費用が経費として認められるパターンがあります。それは、そのパソコンを「クリニックの開業の為の計画作りや準備に使用する」という名目で購入した場合です。

そのような理由でパソコンを購入したのであれば、ご自宅にパソコンを設置したとしても、開業の準備で使用するものですので、経費として計上できます。

また、もともと自宅用に購入したパソコンを開業後のクリニックに持ち込んで使用する場合、そのパソコンの代金を、自己資金の一部とすることは可能です。

開業で失敗しないためにもムダなものに費用を使わないこと

ムダなものに費用を使わないこと

クリニックの開業で失敗しやすいパターンは、運営のための現金を使ってしまって、自転車操業になってしまうことです。

クリニック開業の資金をたくさん調達できたからと言って、気持ちが緩んでしまうドクターもいらっしゃいますが、そのお金はいずれ返済しなければいけません。そして、返済するためには、クリニックを経営して利益を上げる必要があります。

クリニックの経営を安定させるためにも、手元に自由に使える現金を潤沢に持っていることが大事です。せっかく調達した現金を、「経費にできるから」という理由だけでムダに使ってしまったら、現金が少なくなり、運営資金が足りなくなって、クリニック経営に失敗する場合も考えられます。

開業で失敗しないためにも、経費のことを考える前にしっかりとした事業計画を立て、それに沿ってムダなものを購入しないことが大事です。そして、クリニック開業前の集患に専念していただいた方が良いと思います。

事業計画を立てるときのポイントは、「クリニック開業を計画するならまず事業計画から」をご覧ください。

もし、「この費用は開業の経費として認められるのだろうか?」という疑問がございましたら、お気軽に当社までご相談ください。また、当社では無料のWebセミナー&個別相談会を開催しています。クリニックを開業して失敗しないために、開業準備の流れと準備、開業後の収支の推移、開業前の集患方法などをご紹介いたします。また、開業の流れやどれくらいの開業資金を準備したら良いのか、ドクターを取り巻く環境を考慮してご説明たします。

クリニックの開業をお考えのドクターは、ぜひご相談ください。