クリニック開業準備で用意すべき自己資金はどれくらい?
クリニック開業準備で用意すべき自己資金はどれくらい?

クリニックを開業するためには、開業資金が必要です。開業資金としては、主に設備投資の費用と運転資金が必要となります。開業資金は一般的には銀行からの借入金と自己資金で賄いますが、自己資金と言うのは、簡単に言えば自分で準備する貯金などのことです。
準備すべき自己資金の金額ですが、最低でも500万円、できれば1,000万円とお考えください。この金額を準備しておくタイミングは、テナント契約時となりますので、クリニック開業予定日のおおよそ半年前になります。
開業資金は、基本的には銀行から全額を借り入れて賄います。だからと言って、自己資金がゼロ円では、先生が希望する安定した開業は難しくなります。
この記事では、以下、次のようなことを解説します。
- 自己資金の意味や用途
- なぜ500~1,000万円の準備が必要なのか
- 自己資金が必要なタイミング
- 自己資金がゼロ円でも開業できるのか
開業資金とは?
開業資金とは、設備投資の費用(初期費用)と開業後の運転資金を合算したものになります。
設備投資の費用

設備投資の費用とは、テナント契約の費用や内装工事、医療機器の購入費用、スタッフさんの雇用にかかる費用など、いわゆる初期費用です。主に次の様な項目があります。
- テナント契約の費用(敷金や保証金・仲介料など)
- クリニック内装工事の費用
- 医療機器や医薬品などの購入費用
- 什器やパソコンなどの購入費用
- スタッフを雇用するための費用
- 各種の申請などの費用
- ホームページ制作や看板設置、内覧会ご案内などの広告宣伝のための費用
- 開業コンサルティングの費用
- 内覧会の費用
精神科や皮膚科といった高額な医療機器を必要としない医療科目は、設備投資費は3,000万円ほどです。内科であればレントゲン装置などといった高額な医療機器を必要とするので5,000万円ほど、循環器内科ではさらに心エコー、消化器内科であれば内視鏡などを必要とするので設備投資費は6,000万円ほど、眼科も同様の金額になります。
これらの金額は、開業する場所や規模などの条件によっても増減します。
運転資金

運転資金とは、開業後に事業を継続するための費用として支出する資金です。
クリニックを開業すると、事業を継続するために固定費や変動費を支払います。それらの費用は、患者さんを診察して得られる診療報酬から賄うことが基本ですが、開業当初は患者数が少ないため、それらの費用を賄うことが難しくなります。その様な足りない分を運転資金から賄います。運転資金は、使い切ってしまったらクリニックの経営が継続できなくなってしまうために、十分に準備しておくことが大切です。
運転資金の金額は、クリニックの診療科目や規模によって異なりますが、1,500~2,000万円ほど準備しておくと良いでしょう。
開業してからかかる費用のうち、固定費とはクリニックが毎月支払うテナント賃料やスタッフさんの給与など、毎月必ず支払わなければならない費用のことです。変動費とは、例えば医薬品や診療材料・血液検査などの外注費など、患者さんの診療をしたときにかかる経費のことです。固定費や変動費については、「クリニックを開業する時の損益分岐点の計算方法と低リスク経営」ご参照ください。
開業資金は金融機関からの融資で賄うことが基本
開業資金は、設備投資の費用や運転資金の合算ですが、これらの資金は銀行などの金融機関からの融資で賄うことが基本です。
先生によっては、将来の開業に向けて自己資金を沢山貯めている方もいらっしゃいます。開業資金のすべてや大部分を自己資金で賄い、足りない部分を金融機関などから融資してもらうと、開業後の返済が楽になり、安心して経営ができるようになります。
ところが、クリックを開業するということは、先生が経営者になるということです。経営者が事業活動を行う場合には、全額を借入金で賄い、その借入金の返済も含めて固定費を支払いながらも十分な利益を出すことが求められます。その様な利益を出せない経営になる様であれば、初めからやらない方が良いと言う結論になります。
クリニック経営に限らず、どのような事業でも最初は経営が厳しいものです。自己資金も含めた運転資金が十分にあるうちに、早期に経営を軌道に乗せる事ができる様にする事が大切ですが、万一病気や事故でクリニックを一時的に休診したとしても、自己資金を使わないで残しておけばクリニックを存続させる事ができます。
そのために、当社では開業資金は全額を金融機関からの融資で賄うことをおすすめしています。もちろん、当社の開業支援では、借入金の返済をしっかりできるように、入念にシミュレーションし事業計画を立てているのでご安心ください。
自己資金の金額と準備の考え方
自己資金とは、開業資金の準備を金融機関からの融資に頼るのではなく、先生ご自身で貯金してきた資金のことです。
自己資金の用途と金額の目安

自己資金の用途は、テナント契約をするときの保証金や仲介料などの費用を支払うことに使用します。
クリニックを開業するためには、まず立地条件のよいテナントを探し出し、入居契約をするところから始まります。良い立地条件とは、人通りの多い場所などで患者さんを集患しやすく、事業規模に合った広さの物件のことです。クリニックを新規開業して経営がうまくいくかどうかは、テナントの立地条件でほとんど決まると言っても良いでしょう。
立地条件の良い場所は、クリニックでなくても集客がしやすい場所ですから、他の業種の人も契約したいと考えていることが多いです。大家さんとしては、早く契約したいと思っているわけですから、契約金や家賃を先に支払ってもらえる人と契約する事になります。そのため、良い立地条件の物件をいち早く押さえるために、自己資金を使う事が有効になります。
その金額の目安は、開業場所や事業規模によって異なりますが、約500~1,000万円です。そして自己資金が必要となるタイミングは、テナント契約のときです。開業を予定している先生は、早めにこうした自己資金を準備しておくことが大切です。
テナント契約の費用は融資から賄うのでは?
先ほど、開業資金にはテナント契約の費用も含まれており、それを金融機関からの融資で賄うことが基本だとお伝えしました。また、テナント契約の費用は自己資金で支払うこともお伝えしました。この2つのことが矛盾するように思われたことでしょう。
すべてを金融機関からの融資で賄うわけですが、金融機関から融資が実行されるタイミングは、テナント契約からだいぶ後になるので、立地条件の良いテナントを契約するためには、どうしてもすぐに支払うことのできる自己資金が必要になります。
テナント契約が確定してから、その賃料で事業計画書を作成して、それを持って金融機関に融資の申し込みをします。そして融資が実行されたら、テナント契約で支払っていた金額を手元に戻します。要するに、テナント契約の費用を先生が立て替え払いしておくわけです。
自己資金はゼロ円でも開業準備が可能か?

開業コンサルタントによっては、「自己資金がゼロ円でも開業ができる」とアドバイスしている人もいます。もちろん、自己資金がゼロ円でも開業は可能です。しかし、これまでの説明の通り、開業資金が無ければ、立地条件の良いテナントと契約が出来ない可能性が高くなり、開業後の安定経営も難しくなります。
「立地条件の良い物件が見つかってから融資を依頼したら良いのでは?」と思われるかもしれませんが、融資が下りるのに2~3ヶ月ほどかかります。大家さんに「融資が下りるまで待っていてください」と言っても、大家さんとしては、すぐに契約金や家賃を払ってくれる人と契約したいものなので、たいていは待ってはくれません。
将来的に開業をしようと考えている先生は、当社に早めにご連絡ください。自己資金を含めて開業準備の仕方についての解説は、無料のオンライン開業セミナー&個別相談会で行っています。このページの最後に記載してある、オンライン開業セミナー&個別相談会の紹介をご覧ください。
融資が下りた後の自己資金は使っても良い?

融資が下りた後、その中から自己資金で使った金額を、先生の手元に戻します。その戻したお金は、先生は自由に使うことができます。しかし、それをすぐに使ってしまうことは避けてください。その理由は、開業した後に思わぬ出費があり、運転資金の追加融資が必要となる場合も考えられるからです。
先ほど、運転資金は1,500~2,000万円ほどと多めに準備しておくことを伝えましたが、この資金を使い果たしてしまったらクリニックが倒産してしまいます。この資金を使い果たす前に、クリニックを黒字にする必要があります。ところが、現実の経営では想定外のことが起きて、追加でお金が必要となる場合もあります。
そうした必要な資金の融資を金融機関に依頼しても、事業計画の見通しが甘かったと判断されて融資が下りるのに時間がかかったり、追加の融資が受けられない場合もあります。その様な事を避けるためにも、念のために自己資金は手元に置いたままにしておく事が経営の基本です。
自己資金などの開業準備のご相談はお早目に
クリニックの開業準備で、自己資金の必要性を解説いたしました。その金額の目安は、500~1,000万円ほどです。先生ご自身が、どこで開業をしたいと考えているのか、どれくらいの規模のクリニックを目指しているのかによって、その金額は異なります。
その資金は、テナント契約の費用として立て替えておき、融資が下りたら先生の手元に戻します。手元に戻ったお金は、すぐに使ってしまうのではなく、クリニックが安定経営できるまで、いつでも使える様に念のため手元に置いたままにしておきます。
開業資金の準備などを含めて、どのタイミングで開業コンサルタントに相談すべきかと言いますと、クリニック開業を希望する時期の1~2年前が理想的です。自己資金を貯めるのにも時間がかかることや、開業後にすぐに黒字化するための事前の準備にかける時間もできるからです。そして、良いテナントを見つけて契約ができたら半年後には開業することができます。
当社では、東京都内やその周辺都市で開業を考えている先生に、無料のオンライン開業セミナー&個別相談会を開催しています。セミナーでは、
- 自分の専門科目で開業したら、年収や手取り収入がどれくらいになるのか
- 自分の場合、どれくらいの自己資金を貯めたらいいのか
- どのように準備を進めていったらいいのか
- 開業するとどのようなリスクがあるのか
- リスクを軽減しつつ手取りを増やす方法
その様な内容の解説をいたします。そのときに、開業に関する悩みごとをいろいろとご相談ください。開業のご相談は、開業場所が見つかってコンサルティング契約をするまで、無料にて対応しているので、何度でもご相談ください。
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