クリニック開業時に社労士との契約は必要か?
クリニック開業時に社労士との契約は必要か?

クリニックのスタッフさんの人数が増えてきたら、スタッフさんの事務手続きが多くなるので、社労士さんと契約し、社会保険の登録・変更や給与計算などをお願いする場合もあると思います。
一般企業の場合は、多くの従業員を雇用しているので、日常的に社労士さんの仕事も沢山ありますから、社労士さんとの顧問契約が必要となりますが、少人数のスタッフで運営するクリニックの場合には税理士さんに一括して依頼することでクリニックの経費を減らし、先生の手取り収入を増やすことができます。
クリニック開業直後は、できるだけ経費を使わないことを基本とすることで、安定経営につながります。
社労士の仕事とは?

社労士さんと契約しているクリニックでは、社会保険の登録・更新、人事全般から給与計算、採用時の面接や就業規則の作成などといったことを依頼されている場合が多いです。
本来、社労士さんのお仕事は、「社会保険労務士」という名称からすると、社会保険の登録・更新が専門業務となります。ところが、なぜか「人事全般は社労士さんに相談する」ということが一般的です。
開業後の大きな問題としてスタッフさんの労務管理があります。スタッフの採用から日常の給与計算・雇用労災保険の手続きや解雇に至るまで、そこには多くの法律や規則があって、開業して初めて人を雇うという先生にとってはわからないことだらけです。
特に、トラブルメーカーとなるようなスタッフさんを雇ってしまった場合には、院長先生は大きなストレスを抱えるようになって、どうして良いかわからなくなってしまいます。そんな時に労務トラブルを相談できる専門家であるのが社会保険労務士です。
社会保険労務士は労務や雇用に関する専門家としての国家資格なので、雇用のトラブルに関しての相談相手となりますが、あくまでも労働基準法に準拠したアドバイスになるために必ずしも経営者の味方になれるわけではありません。
ミニマム開業では社労士との契約は不要!?
ミニマム開業とは、特措法といわれる開業医にお得な優遇税制を活用し、経費を最小にして先生の手取り収入を最大化することができる開業方法です。ミニマム開業の詳細は、「ミニマム開業とは?メリット・デメリット」をご参照ください。
社労士に依頼する内容も一括して税理士さんに依頼すること

クリニックを経営してかかる大きな経費は、テナントの家賃とスタッフさんに支払う給与(人件費)ですが、他にも税理士さんや社労士さんと契約した場合には、その費用がかかります。
税理士さんとの契約はやむを得ない部分もありますが、給与計算や雇用労災保険の手続きなども併せて税理士さんに依頼し対応してもらえることもあるので、社労士さんとの契約は必ずしも必要なことではありません。
税理士さんにお願いできたら、社労士さんの分だけコスト削減ができます。
社労士さんに依頼するとどれくらい費用がかかるのか?

「社労士さんに依頼しなければ、どれだけ手取り収入が増えるのか?」と言われると、社労士さんとの契約内容によります。
例えば、クリニックのスタッフさんが辞めていったり、その穴埋めとして採用したりすると、社会保険の登録や変更などが必要になります。そういった作業をスポットで依頼することができたとしたら、費用は数万円ほどだと思われます。
1~2年に1回程度、スタッフさんの入れ替えがあり、そのときにスポットで依頼できるような社労士さんがいたら、ぜひ依頼してください。
しかし、2~3年に1回だけ数万円を得るだけでは、社労士さんは生活が成り立たないので、多くの社労士さんは毎月費用が発生する顧問契約を希望しています。月額はおおよそ5~6万円ほど、スタッフさんの給与計算もしてもらうことで、スタッフさんの人数に応じた金額がかかります。また、社会保険の登録や変更などの、スポット的な作業があれば別途費用がかかる契約が多いと思います。
すると、年間で70万円ほどかかります。
給与計算の手間は?

給与計算も色々なソフトやアプリがありますので、税理士さんにとっては特別難しいことではありません。まして、ミニマム開業で扶養範囲内のパートスタッフだけを雇用する場合には、勤務した時間に時給をかけて計算するだけなので難しいことは何もありません。
ただ、お給料を支払う場合には色々な届出や手続きも必要となりますし、たとえ支払う金額が少額であっても支払うお給料に間違いがあっては絶対にいけないので、先生が自分でやらずに税理士さんに委託することをお勧めします。
クリニックの開業を予定されている先生は、さまざまな疑問をお持ちのことと思います。東京でクリニックの開業を予定されている先生は、ぜひ当社の開業コンサルティングをご検討ください。開業に関するご相談は「クリニック開業Webセミナー&個別相談会」にて無料にて対応しています。ぜひご参加ください。