開業医へのインタビュー

「自宅の近く、患者さんに共感できる地元で地域医療に貢献」小石川柳町クリニック(小児科・内科) 近藤千里先生

小石川柳町クリニックは、東京都文京区に開業されたクリニックです。
近年子供が増加傾向にある都心の東部で、小児科と内科を診療しています。

最後は原点に戻って診療を

なぜ開業をしようと思ったのですか?

今までほとんど大学病院で勤務していたんですね。科は変わりましたが、同じ大学で30年以上勤め続けていました。
大学病院というのは、最先端・最高の医療を供給するのが使命で、自分もそのつもりでやってきました。診療はもちろん、研究や教育、ここ10数年は組織のマネジメントなどもしていました。

開業しようとした思ったのは、5年くらい前からでしょうか。
勤務していた大学に臨床面、研究面で種々の制約が出てきたことと、年齢的な問題もあって次のステップを考えていたんです。

大学病院を定年まで勤め上げても良いのですが、60歳を過ぎて研究成果がまとまったところで、最後は原点に戻って、患者さんを診るのがいいなと思っていたんです。

開業のための情報などは集めていたのですか?

いろいろとセミナーの宣伝などもありましたが、あまりピンとこなかったですし、その程度なら自分で調べられると思ったんです。
自分の中で開業に対する問題意識も持っていたので、インターネットで開業についていろいろ調べていました。

オクスアイはどのようにして見つけたのですか?

たまたま近所に住んでいる息子の家族がお世話になっていた澤田こどもクリニックさんが、オクスアイさんのホームページのインタビューに出ていたことを見つけたんです。
素直に書かれているインタビュー内容を見て、オクスアイさんに相談してみようと思いました。

オクスアイに開業コンサルティングを頼もうと思った理由はなんですか?

信頼できると思ったからです。
最初にお会いした時に、「先生、もう年齢も年齢なので無理はしないでください・・」と言われました(笑)。
そういうことを率直に言ってくれるので、アドバイスも信頼できると思いました。それでオクスアイさんに頼むことに即決しました。

それにオクスアイさんは自ら設計ができるということが重要でしたね。
開業コンサルティングのサービスと建築事務所が別だと、それぞれ話を通すのも面倒ですが、オクスアイさんは建築に関してもプロなので、クリニック建築の話を直接進めていけるのが良かったです。
オクスアイの事務所が自宅から近いのも、打ち合わせに通いやすく便利でした。

自宅の近く、自分の好きな土地で地域貢献

なぜこの地域(文京区小石川)にしようと思ったのですか?

開業をしようと思った当初は、自分がアルバイトで勤務した経験のある多摩地域辺りも考えていました。
でもある時、ふと自宅の近くで開業した方がいいのではと気付いたんです。

この辺りに住んで17年なのですが、移った当初はマンションなども少なく、子供の姿もあまり見かけませんでした。

それが、この10年くらいは東京の東側に人口が移ってきています。文京区や千代田区、港区などの人気のある区に人が集まってきて、子供の数がものすごく増えてきたんです。

私の子供達も文京区に住んでいて、孫の保育園を探すのに苦労していましたし、医療機関も少ないことを感じていたので、小児科の開業に適しているのではないかと思ったんです。

それに小石川の土地そのものが好きなんです。昔風の商店が多かったり、昔からの路地や住居があったり、なんとなく居心地が良くて暮らしやすい場所なんです。
子供が増えて困っていて、自分も好きなこの場所で、最後は素朴に、地元に貢献したいという感じですね。

このクリニックの場所はどのようにして見つけたのですか?

文京区小石川周辺で開業したい、ということをオクスアイさんにお伝えしたら、候補を5件くらい用意してくれました。
その中で自動車の通らない路面に面していて、広さも十分にあるこの場所が一番良いと感じました。ここにあった前のお店も知っていましたし、周辺の土地勘もあったので最適でした。

周囲のクリニックの状況なども確認したのですか?

診療圏調査や競合クリニックについてはあまり考えていませんでしたね。
いい場所だったら他のクリニックもすぐにできるでしょうし、他の競合のことは気にしていませんでした。
この辺りは自転車乗りながら1〜2キロを移動する患者さんも多いですし、クリニックの前は人通りが多いので、問題ないと思っていました。

余裕を持った開業準備時期

開業準備をかなり早くから始められたようですね?

そうですね。オクスアイさんに相談して、物件を決めたのが開業の1年以上前の、2015年の3月です。

物件もその年の4月に押さえて、「早くて今年の11月くらいが開業ですね。」とオクスアイ社長の金村さんに言われましたが、大学の仕事が残っていてすぐに退職することができませんでしたし、急いで開業する必要もないと思っていました。

最終的には2016年7月に開業することにしました。開業までに1年3ヶ月かかっていますが、クリニック工事自体は約半年前の12月に終わっていましたし、かなり余裕を持って開業を迎えることができました。

7月の開業には何か理由があったのですか?

年度末の2016年3月末まで大学に勤めて、その後の準備期間を含めて3か月後と考えて、7月になりました。
それに7月は1年を通じて、小児科が一番暇な時期だからです。

インフルエンザの繁忙期の11月に開業することは、経営上は良いのかもしれませんが、スタッフのトレーニング期間や自分の負担を考えて、ゆっくりスタートして徐々に慣れていく方法が無理がなくて良いと思ったんです。

その間の打ち合わせなどは、どのような形で進めていたのですか?

オクスアイさんの事務所も近所でしたし、最初は頻繁に打ち合わせをしました。通常の10ヶ月で開業できるくらいのペースでしたね。
設計の早い段階で、設置する医療機器なども考慮しなければいけなかったですしね。初めの頃は週1回くらい、その後は月1回くらいにペースダウンして、ゆったり準備をした感じです。

どのようなことを打ち合わせしたのですか?

例えばクリニックの入り口は1つですが、待合室は2つに分かれています。
多くの小児科クリニックでは一般診療の時間と予防接種の枠を時間で分けるのですが、患者さんの利便性を考えて、どんな時間に来ても両方できるようにしたかったんです。
もともと自分が持っていたイメージに近づけるために、1つ1つ打ち合わせしてもらいました。

地域の患者さんのニーズに合わせたクリニック体制

クリニックの運営面で、何か意識した点などはありますか?

この辺りは、文京区ということもあって、いわゆる「ITリテラシー」の高い患者さんが多いです。
だからこそ、例えば予防接種の予約をインターネットからしか受けていないのは、ここの人達は複雑な予防接種のスケジュールを正確にこなしていただく上で、うまく活用してもらえるのではないかと思うからです。
他の地域だと同じようにはいかないかもしれませんね。

予約制を前面に出しているのも、診療の待ち時間をなるべく無くすためです。
混み合った待合室は患者さんどうしの感染を防ぐ意味からもなるべく避けたいです。
みなさん働いている方が多いですし、この地域の患者さんにとっては良いのかなと思っています。

また、地元の人々のために、土日や他のクリニックがやっていない時間帯を穴埋めするような形にしようと思いました。
例えばこの辺りは水曜日が休診のクリニックが多いため、このクリニックは水曜日を診療日にして、火曜日を休診にしています。

その他、オクスアイからのアドバイスで参考になったことはありますか?

参考になったアドバイスはいろいろありますが、特に助かったのが、医療機器の調達ですね。
例えばですが、医療機器を新規で買うと高いのですが、学会で機器展示されている現物を安く買うことができました。
医療機器メーカーとのしがらみなどもないため、コストをかけない提案をしてくれたので、助かりました。

提示してもらった初年度の目標外来患者数なども、「このくらいでいいの?」というくらいの数でした。
すでにクリアしていますが、かなり安全性の高い計画を立ててくれて、ストレスを感じませんでしたね。

余裕を持って開業準備ができて、特に問題もなく開業の日を迎えられたのでしょうか?

そうですね。強いて言えば、求人募集はドキドキしましたねー。
開業に先立ち、事務職と看護師を募集したんです。事務職は応募が多いのですが、スキルや経歴の幅が広く、選定が難しかったです。
逆に看護師は応募が少なく、大変でしたね。

人通りが多い場所ですし、オープンするまでに時間が長かったことで、逆に地元の人達の噂になっていたようです。ママ友の間では小児科ができるということが伝わっていたみたいですよ。

患者さんに「共感」できるクリニックを

現在、開業されて約2ヶ月ですが、大学勤務時代と比べ何か変わった点・気付いた点はありますか?

大学病院は徹底した分業なので、自分の受け持った部分以外は他に任せるスタイルです。
自分が担当する部分については、いろいろ考えて診療するので、専門性を高めることになるのですが、個々のステップで時間がかかることも多いんです。

大学病院では分業していた作業を1人でやることになるのですが、今のクリニックでは最初の診察、検査、治療、結果まですべて手作業です。
手作りである分、1つ1つのプロセスを把握しているので、サービスとしてすごく効率的なんです。

結論にサッと行って、サッと治療をして、その結果もすぐ跳ね返ってきます。
患者さんの具合が良くなったことが目に見えるので、手応えを感じてとても良いですね。

また、医療機関の規模はあまり関係ないんだなと感じています。
このクリニックでは、家内が週末に呼吸器内科をやっているのですが、多数の科がそろった総合病院でなくとも、患者さん自身がホームページなどで情報を調べているので、地域の中でクリニックの専門性や得意分野に合った患者さんが選んで来てくれるんですね。

患者さんとの距離も近いですしね?

文京区という土地柄もあり、患者さんの教育程度は高いので、皆さん情報もそれなりに調べています。
インターネットを見て、病気のことも調べてくるのが当たり前なんです。ただ、その情報も過剰気味で、「対面の情報」に飢えている感じがします。

患者さんと面と向かって「インターネットではこう言われているけれど、本当はこういう事なんですよ」と話したり、簡単な検査をしてその結果を見せて説明したりすると、自分の知識体系と結びついてストンと腑に落ちるみたいです。

開業後もオクスアイのサポートはしっかりしていますか?

そうですね。看板を前に出したり、これからもいろいろお願いしたいと思います。
今は混みすぎず、少なすぎず、患者さんとの信頼関係を築くのにちょうどいい数ですが、今後は経営的なアドバイスなどもお願いしたいです。

今後の目標はありますか?

この土地に求められていることを探りながら、自分の専門性を活かせる形でやっていきたいと思っています。それが文京区のような大学病院が多い土地でのクリニックのあり方だと感じています。

そして、この地域全体の有病率を減らしたいですね。病気の子を減らしたいです。
土日に家でがんばっている子も多いので、日曜日に診療するだけでも重症化をだいぶ防げるんじゃないかなと思っています。

後は、教育機関と連携して、例えば小学生向けのAEDの講習をやりたいですね。
検診などでは見つけることができず、その場で助けるしかない病気があるんです。東京にはAEDがあちこちに溢れかえってますし、使える人を増やしたいです。
子供達を育てると大人も次第にできるようになり、助かる人も増えるんじゃないかと思っています。

最後に、現在開業を考えている先生方へアドバイスがありましたら、教えてください。

絶対必要だと思うのは、土地の人に対する「共感」ですね。
その土地の人達の今置かれている状況をよく理解して、一緒になって悩めるような、地域に対する愛着が根底のところにないと、難しいんじゃないかなと思います。

たまに近所のスーパーなどで患者さんと会うこともあるかもしれませんが、そんなのはどうでもいいじゃん(笑)、という感じです。
逆に地元が嫌いになってしまったら、クリニックはやっていけないと思います。

インタビューに答えてくださったのは

■小石川柳町クリニック

東京都文京区小石川に開業。地域の小児科、内科として治療を行っている。

所在地
東京都文京区小石川
開業年月
2016年7月
科目
小児科・内科
開業の特徴
新規開業
ホームページ
小石川柳町クリニックホームページ

コンサルタントより一言

先生が目指す医療、そして地域への貢献を実現するためのクリニック開業に私どもが協力できたことを、とても光栄に思います。
先生のお人柄と患者さんへの共感力で、近隣地域にとってますます重要なクリニックになっていくでしょう。無理をなさらずに、先生の目指す道を突き進んで下さい。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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