自己資金を使わない開業をおすすめする理由医院開業や医院経営、クリニック開業の支援ならオクスアイ

2012年2月23日
クリニックの開業資金

以前実際にあった話です。

真夏の蒸し暑さが続く8月も中盤にさしかかるある日、私のところにY先生がやってきました。

Y先生は、ご実家が開業医であることから、開業に必要な資金については全く不自由のない方でした。

勉強熱心な先生で、病院に勤務する傍ら、休日にはセミナー等に参加したり本を読んだりして情報を収集してきました。

最終的には開業コンサルティングサービスを展開している大手企業に開業準備を任せることにしたのです。

問題はここからです。

開業準備を進めるにあたり、納得できない点が出てきたのです。

自己資金を十分に用意できるY先生でしたから、開業の準備にはそれなりのお金をかけるつもりであると考えていましたが、それにしても担当者の提案には無駄な出費が多いのではないかと感じ始めました。

まず、自宅併用の医院を新築する点。

仕事をする場所と自宅が一緒なのは楽ですが、土地建物にまで一気に投資するのは、無理があるように感じていました。

また医療機器も最新の設備を揃えるのは良いのですが、使用頻度が高くなさそうなものまで提案され、値引きするから買ってほしいとのこと。

途中から「このコンサルタントは金を使わせるのが目的なのではないか?」とまでお感じなったそうです。

そこまでいってしまうと、もうコンサルタントとの信頼関係はありません。

もう一度開業について考え直してもらうようにアドバイスしました。

※その他の開業された先生のインタビューも掲載中です

自己資金について考える前に・・・

Y先生の場合、クリニックの設計に取りかかる前だったので、大事には至りませんでしたがこのような事例はいくらでもあります。

自己資金は自分の(自由に使える)お金ですので、どうしても使用用途が甘くなりがちです。

結果的には駅前のテナント開業で、借入をベースにした資金調達、医療機器については、使用頻度の高いもの以外は、必要性を確認してから順次取り揃えるようアドバイスさせていただきました。

Y先生は、開業してもうすぐ1年。

運転資金に余裕を持ち、クリニックの経営者として、大きなトラブルもなく順調にクリニックを経営されています。

Y先生の気さくな性格も手伝って、小さな子供さんから高齢の方まで、地域に必要とされるクリニックの院長として日々ご活躍されています。

「自己資金はどのくらいあったらだいじょうぶでしょうか?」

「借入は不安だから、なるべく自己資金で開業します。」

相談に来られる先生方の中に、このようにおっしゃられる方は多いです。

もちろん現在のご時世、頼れるのは自分だけとお思いの先生も多いのかもしれません。

開業の際にいくら必要かについては、すでに情報が多くありますので、ここでは控えますが、

私がいつもお答えしているのは、

「借りたお金を返せない様な事業をするつもりなら、開業はおすすめできない」

ということです。

金融機関や税理士さんなどの一般的な基準によると、事業計画には自己資金の比率を2割程度見ておくように指導されます。

もちろん自己資金はあるに越したことはありません。

しかしながら、自己資金は事業資金としてではなく、不測の事態が起こった時のために保険として取っておくべきものです。

自己資金の割合がいくら多くても、売上げによる資金の循環が上手くいかないと、手元の資金はあっという間に底をついてしまいます。

先程のY先生のケースのように、自己資金が多い場合には、開業時点で多くのお金をかけてしまうようなプランを提案されることも少なくないのです。

「いかに借入れた資金を活用して、クリニックを運営していけるか」

これこそがクリニック経営を長く続けていくための秘訣です。

自己資金を十分に持っている先生に多いのが、クリニック経営のリスクに関する意識の甘さです。

最初から大きく成功するクリニックはほとんどないと言っても過言ではありません。

低リスクで持続性のある開業を一緒に考えてみませんか?

事業計画は2つ持つことをおすすめします

自己資金についてご理解いただいた後は、事業計画のお話を少しだけ。

クリニック運営のための「事業計画」の必要性は、先生方もご存じのことでしょう。

事業計画には大きく分けて2種類用意すべきなのをご存知でしょうか?

1つ目は銀行等から借入を受ける場合に作成する、事業計画書です。
お金を貸してもらうための計画書ですから、明るい未来を想定しています。

2つ目は「どんな状況でも耐えられる」事業計画です。
これは、予定通りいかなかった場合の最悪の場合を想定したものです。

基本的には1つ目の「予定どおり」の事業計画書を公表するのはもちろんです。

同時に、常に2つ目の事業計画書を頭に入れながらクリニックを経営していくことで、開業後の不測の事態にも対応できる余裕と安心が生まれます。

ぜひ一度考えて見てください。

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