最近のクリニック開業事例に見る、成功するクリニック開業の条件

開業へ向けて準備を進めている一方で、その前段階として開業に関する基本的な知識や心構えについて、様々な先生からご相談をお受けすることも多いです。

開業の場所や資金についてご心配される先生方が多いですが、それ以前に「開業を成功させるためにはどうすればよいか?」という事も多くの先生方からご質問される内容です。

いきなり開業しても患者さんは来ない

開業についてご相談いただく際に、先生方によくお伝えしていることがあります。

「今は、ただ開業しても患者さんは来院してくれない」

ということです。

どこで開業しても、その場所にはすでに開業しているクリニックがあります。

地域の患者さんは新しいクリニックができたからと言って、開業したてのクリニックへ来院してはくれません。

開業医がまだ少なかった昔は、地域のクリニックとして喜ばれることもありましたが、今はクリニックも過当競争の時代です。

患者さんを引き寄せるものがないと、来院してもらうことはなかなか簡単ではありません。

クリニックも極端に言ってしまえば、ラーメン屋さんに似た様な所が有ります。

なぜこんなに多くのラーメン屋さんがあるのかといえば、それぞれに特徴があり、お客さんに支持されているからでしょう。

どの地域でも人気のクリニックがある一方で、患者さんの来院数に伸び悩むクリニックもあるのではないでしょうか。

先生の財産は何ですか?

最近の開業のお手伝いの中で、「成功している」と言えるクリニックには共通点があります。

それは「今までの財産を活かした開業」です。

つまり今まで培ってきたご自身の「専門性」、「患者さん」、「勤務先病院」の3つの財産のことです。

年齢にもよりますが、開業するまでには10~20年間の勤務医の経験をお持ちであることが多いと思います。

その蓄積から生まれた、3つの財産を大事にすることが重要になります。

(1)専門性

ご自身が思っている以上に、専門科目は開業の際に武器になります。
他のクリニックと差別化を行うことで、地域で存在感を高めることができ、無理な競争を避けることができます。

(2)患者さん

勤務医時代の患者さんは病院ではなく、先生ご自身についてくれた患者さんである場合も多く有ります。
開業してすぐに患者さんが集まってくれるような環境を作れることは非常に大きなメリットとなります。

(3)勤務先病院

今まで勤務していた病院との関係をうまく活用することで、相互に患者さんを紹介し合う環境を作ることができます。
開業後もスムーズに紹介が進み、患者さんにとっても、より良いサービスが期待できます。

先生ご自身の財産について、確信が持てないのでしたら、ぜひご相談の中でアドバイスさせていただきます。

ある先生の事例

ここで最近の事例をご紹介します。

K先生は開業物件を決定した後、相談に来られました。

地域の患者さんのための内科を希望していましたが、開業予定地周辺には既に内科のクリニックがいくつかありました。

もし内科として開業すれば、他のクリニックとの患者さんの奪い合いが発生することも十分考えられます。

よくお話を聞いていくうちに、K先生は循環器の専門医として1,000人以上の患者さんを担当していたことがわかりました。

それを活かさない手はないということで、先生には「地域の内科」ではなく、首都圏のどこからでも来院できる、循環器の専門クリニックとしての開業をおすすめしました。

現在開業されて1ヶ月ですが、開業当初から勤務医時代の患者さんが来られて、非常に人気のあるクリニックとなっています。

入院の必要な患者さんには、ご自身の以前の勤務先病院を紹介し、病院からは症状の程度の軽くなった患者さんを紹介してもらっていますので、今後もさらに多くの患者さんが訪れることでしょう。

成功の近道は?

上記のK先生の件は非常にわかりやすい例ですが、いろいろな先生方とお話させていただくと、ご自身が持っている恵まれた財産に気付かず、せっかく永年に亘って築いてきた財産を捨てて、ゼロから開業をしようとしている方も少なくないと感じています。

リスクはなるべく少なくというのが、オクスアイの開業の考え方です。
開業するに当たっての基本として下記もご参照ください。

低リスク開業

極端に言ってしまえば、今まで診てきた患者さんをそっくりそのまま、開業したクリニックの患者さんとして診ることができるのなら、どこで開業しても成功することができると言えます。

そのためには勤務医時代からしっかりと仕事上の財産を築いてきた先生がやはり有利です。

開業を決意する瞬間はさまざまですが、先生方それぞれに目指す医療があり、持っている財産が異なるのではないでしょうか。

下記の先生方のインタビューもご参考下さい。
先生の置かれた環境に近い、事例があるかもしれません。

開業医へのインタビュー

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