継承するか、それとも新規に開業するか?医院開業や医院経営、クリニック開業の支援ならオクスアイ

2012年4月27日
クリニックの継承開業

最近アドバイスをさせていただいたN先生に関するお話です。
N先生は東京近郊で、30年続くお父様の歯科クリニックで副院長として働いています。

将来的にはお父様の後を引き継ぎ院長となることになりそうですが、現在のクリニックを継承するべきか、それとも新たに別の場所で開業すべきか悩んでいました。

歯科医院でも他の医科でも、クリニックの開業、そして経営の基本的な考え方は変わりません。

競合クリニックが多い現在において、どのようにご自身の将来のあるべき姿を考えていくべきか、ご説明したいと思います。

親のクリニック、そして自分のやりたい事

N先生は40代で、院長であるお父様(70代)のクリニックで働いています。

現地を訪問してみると、郊外の住宅地の清潔感のあるクリニックで、近隣には数件、競合する他の歯科クリニックがあるようでした。

長く続いているクリニックですので経営も安定し、売上も悪くはなく、一見してあまり問題はなさそうです。

詳しくお話をお聞きすると、将来のご自身とクリニックについてのご相談でした。

N先生からすると、院長である父親は経営に対して堅実である半面、新しい技術や治療についてはあまり関心を持っていないようです。

N先生のやりたい治療をするためには新しい機器やスタッフの増員などが必要で、コストの増加にもつながるので、院長である父親にはなかなか認めてもらえないという現状です。

そのような中、親の引退も近づいている状況で、ご自身のやりたいことを実現するため、思い切って新規で開業したほうが自分にとって良いのではないかと考えるようになったとのことです。

いきなり開業しても成功は難しい?

このご相談に対して、「新しい場所で開業するのは、まだお勧めできない」と率直に申し上げました。

なぜなら、十分な準備をしてからでないと、新しい土地でいきなり開業しても成功する見込みは少なく、リスクが非常に高くなるからです。

オクスアイの低リスク開業について

N先生のお話では、最寄駅から何駅か離れた、比較的規模の大きい駅前のビルでテナント募集があり、そこならば開業しても患者さんが多く来院するのではないかとお考えのようでした。

そのような場合、他のクリニックも当然その周辺に多くあるはずで、逆に熾烈な競争があると考えられ、開業しても黒字にするのは大変に厳しい状況になると考えられます。

これからの開業は、先生方それぞれが今まで築いた財産を有効に活かすことが必須です。

つまり、それまでの勤務地で得ることのできた経験やスキル、患者さんからの信頼をそのまま活かせる場所を選択することが成功の条件です。

N先生の場合は、現在働いている父親のクリニックということになります。

限られた診療圏内で同じことをやっていると、必ず売上は下がっていく

では、現在のクリニックを継承すれば全てがうまくいくのかというと、そうとは言えない状況です。

売上は、昨年の震災の影響か多少の落ち込みはありましたが、ほぼ横ばいで推移しています。

しかし、これは将来を考えると良いこととは言えません。

郊外の住宅地などの限られた診療圏内では、これまでと同じことをやっていては必ず売上は下がります。

そのような場所では周りに住んでいる人口構成が大きく変わることはなく、患者さんとの関係も親子の世代に渡ってつながっていることが多いです。

代替わりをしたからと言って、売上を重視した診療にすぐに切り替えたりすることは現実的には難しく、保険診療を中心とした地域のためのクリニックで有り続けることが精一杯です。
人口が増える特別な要因がない限り、患者さんは増えていくことはありません。

そして、どんな場所でも月日が経てば競合は現れますので、患者さんという限られたパイの奪い合いになり、売上は下がっていく傾向にあるのです。

売上は下がっていく傾向

まずは今の状態から上向きに

それではどうやって将来予想される、売上の減少を阻止すべきでしょうか?

クリニックを今後も維持していくためには、下がっていく分を穴埋めできるように、1割でもいいから今の売上を伸ばしていく必要があります。

そのために必要な事は「商品開発」です。

クリニックに限らず、事業の成功には3つの要素があります。

1.技術
2.サービス
3.立地

の3つです。

まず、「技術」というのは先生方の腕です。
「お金を出すのに値するかどうか?」を決めるものです。

ただし患者さんにとって、この判断は必ずしも容易ではなく、また技術のレベルに関してもあまり差がつきにくいのが現状です。

次に「サービス」ですが、これは技術に付帯するサービスを意味します。

クリニックにあてはめると、先生やスタッフの感じの良さやクリニック内の雰囲気、特に治療後のアフターケアーなどです。

技術でなかなか差がつかない場合、患者さんはこの「サービス」の部分でクリニックを評価することも多いです。

歯科向けでよく行われているのですが、「売上を増やすためのクリニック経営セミナー」というものがあります。
これは何をやっているかお分かりでしょうか?

実は、「スタッフをセールスマンに」することです。

先生1人では患者さんを満足させたり、点数を上げたりするのは難しいので、スタッフの質を上げ、できるだけスタッフを活用することで患者さんの満足度を高め、売上を伸ばすようにするものなのです。

このことを踏まえながら、例えば自費診療の売上げを伸ばす接客の仕方など、セミナーで学んだことがあれば、それをできるところから採用し、新しい「商品」として患者さんに受け入れられるものを作っていくことが必要です。

クリニックの場所(立地)はなかなか動かせるものではないので、やはりサービスを中心とした商品開発によってクリニックの売上を上向きに持っていくことが現実的です。

当たり前のことをコツコツと

そして、以外にできていないのが「当たり前」のことです。

つまり、経営者としてより良いクリニックを作り上げるために、先生方が患者さんやスタッフに正しく接するということです。

患者さんが満足する技術・サービスを、相手の立場になって考えていくべきですし、スタッフについても、同じ職場の仲間として誠実に、そして成果を還元していくようにすることが重要です。

また例えばクリニックを宣伝して新規の患者さんが増えていくと、その中にはいわゆる「クレーマー」と言われる方も来院されるかもしれません。

それも経験としてプラスになりますし、どんなことも対処できるような経営者になることが将来の発展につながります。

結局は、当たり前に必要な事を、繰り返し行っていくことが大切です。

スポーツでも同じですが、基本をしっかり押さえずにテクニックを磨いても成果は生まれません。

ご自身の開業準備やクリニック経営について「当たり前のこと」がしっかりできているか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

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