「角を矯めて牛を殺す」開業の落とし穴医院開業や医院経営、クリニック開業の支援ならオクスアイ

2015年7月19日作成
クリニック開業の心構え

医学教育だけでは開業はうまくいかない

「角を矯めて牛を殺す」ということわざをご存知でしょうか?

牛が人間の生活に欠かせない家畜であった頃、飼っていた牛の角が曲がっているのが気になり、真っすぐにしようとして叩いたり引っ張ったりしたために、牛は弱って死んでしまったと言うことから、わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をダメにしてしまうと言うことのたとえです。

牛の角が曲がっていても、家畜としての牛の価値は変わりません。
それなのに角という一部を気にしたことによって、本来の大事な財産を失ってしまうということです。

開業に当てはめると、つまらないこと、些細なことにこだわりすぎて、開業に本当に必要なことをないがしろにしてしまうという状態です。

開業のご相談にいらっしゃる先生方の中にも、そのような状態に陥っている方が時々見受けられます。

ある先生にお聞きしたのですが、医学教育と開業医としての持つべき考え方には決定的な違いがある様です。

それは医学教育では、常に100%が求められると言うことです。

医療行為は患者さんの命にも影響するのですから、絶対大丈夫という確信を持ってアクションを起こすことが求められます。

医学的には正しいことだと思います。
但し、この考え方を開業に当てはめると、必ずしも正しくは無いと言うことになります。

事業を興すにあたり、不確定要素が少しでもあると前に進めず、なかなか開業に至らないのです。

事業を興すのに、不確定要素は必ず存在する

一方、何か事業を興す場合、100%確実なことはありません。
わかりやすく言うと、「やってみなきゃわからない」ということなのです。

世の中に成功している企業は沢山ありますが、必ずしも全ての事業が成功しているわけではありません。

企業というのは、不確定要素がある中でいろいろな事業を立ち上げたり、新製品を出したりして、その中で1つ、2つ当たったらOKという世界なのです。

開業も事業と一緒で、不確定要素だらけです。
100%成功することが保証された開業というのはありません。

ただし、これをやったら失敗するというものはあらかじめわかります。

開業については様々な判断に直面する場面がありますが、その8割方は定石がありますので、ある程度は先を見通すことができます。

様々なリスクマネジメントの手法は、開業をサポートした生の現場で培ったもので、医師の臨床経験のようなものでしょうか。

開業は事業であることを、意識しておかなければなりません。

開業準備は定石どおりに進めつつ、不確定要素があることを理解し、どのような状況になったとしても、対策をすぐに打てるような体制を整えることが重要なのです。

開業医の義務とは何か?

開業を考える先生は、主に勤務医でしょうから、ほとんどの方は事業の経験が有りません。

だからこそ全ての事項を同列に扱ってしまい、細かい部分にも気になり、悩んでしまう様です。

でも、本当に必要なことは1・2点しかありません。

その1つは「売上」です。

「良い医療を提供すること」を開業の目標にされる方もいるかもしれませんが、それは目標ではなく「当たり前」のことです。

良い商品とサービスを提供するのは事業者の義務なのです。

売上を上げることは、ご自身の家族やスタッフを養うため、事業を継続していくために絶対に必要なことです。

それ以外の事は次の話です。

例えば、多くの患者さんが来院し、売上を上げるためにどうするかを考えた場合、開業の場所が大事です。

物件をいろいろ探したところで、100%良い場所というのはありません。
「駐車場」、「広さ」、「上の階にある」・・など考えれば切りがありません。

売上を上げることを第1目標と考えれば、細かい部分は2次的な問題です。
立地が良い場所であれば、他のクリニックが近くにあるかもしれませんが、それでもそのクリニックに勝てれば良いだけの話です。

売上を上げるために優先順位があることを把握し、経営者としての思考を持つことが開業の成功に結び付くのです。

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記事監修者

コンサルタント
一級建築士
金村かねむら 伯重のりしげ

金村伯重

経歴

昭和54年
病院システム開発研究所 入社
東京医科大学病院、焼津市立病院、富士市立中央病院、沼津市立病院、富士宮市立病院などの建替計画に参画
昭和59年
医療機構開発株式会社 入社
町立浜岡病院(現御前崎市立病院)新設に参画
昭和63年
オクスアイ医療事業開発株式会社設立

以来30年以上に亘り、数多くのクリニック開業をサポートしている。

総合病院であらゆる診療科目の医療現場に携わり、多岐に亘る分野の技術に精通する。また一級建築士である事から、施設造りまで自社で一貫して行う。クリニック開業を成功に導くソフトとハードの技術を確立し、他に例を見ないコンサルティングを実践。これまでサポートしたクリニックを全て成功に導いている。